平野勝之監督の「監督失格」をTUTAYAで借りて、DVDで観ました。「監督失格」は、2011年公開の平野勝之監督による「極私的」ドキュメンタリー映画です。2005年に34歳で亡くなった林由美香の仕事仲間で平野勝之が、自らカメラを回し撮影しています。平野勝之監督には「自転車不倫野宿ツアー 由美香」という作品があるという。由美香は、平野の恋人でもあった、AV女優です。20代後半から14年間、由美香を被写体にカメラを回し続けました。
「監督失格」は、平野と由美香の二人が、北海道を目指して自転車で旅行することから始まります。時には機嫌のいい由美香が、時には熱を出して寝込んだ由美香が、そして二人の日常が映し出されます。しかし、北海道から帰って、ある時彼女は突然亡くなります。平野勝之は、由美香を失ったことで絶望の淵に立たされます。由美香の母親は小栗冨美代、野方ホープ軒の社長で、女手一つで由美香を育て上げました。彼女もまた、由美香を失ったことで絶望の淵に立たされます。当初、冨美代は母親として、由美香の映像を使うことを拒否していました。
しかし由美香は女優でした。その映像を残しておきたいと、平野に使用することを許可します。その二人が、そこから再生するまでをこの映画は描いています。まさに「極私的」です。庵野秀明が実写映画をプロデュースするのは初めてのこと、精神的に疲弊していたときに平野監督の「自転車不倫野宿ツアー 由美香」を見て救われたことに対しての恩返しとして引き受けたのだという。音楽は、矢野顕子が映画に使用されている全6曲を新たに書き下ろした上で演奏しています。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの庵野秀明が、実写映画を初プロデュースした感涙のドキュメンタリー。35歳の誕生日直前に急逝した女優故・林由美香の日常を、14年間にわたりひたむきにカメラが追い掛ける。林の元恋人でもある『由美香』の平野勝之がメガホンを取り、彼にしか撮り得ない映像を映し出す。身近な人との出会いと別れ、そしてそこからの再生を描いたリアルなドラマが素晴らしい。
ストーリー:1996年、映画監督の平野勝之は当時恋愛関係にあったAV女優林由美香と共に、東京から北海道への自転車旅行に挑戦する。最初の1週間は旅のあまりの過酷さに毎日泣き続けていた由美香だったが、ついにひと月以上をかけて礼文島に到着する。その後、2人は別れたものの、彼女の死の直前まで友人としての関係は続いており……。