室橋裕和の「カレー移民の謎 日本を制覇する”インネパ”」(集英社新書:2024年3月20日第1刷発行)を読みました。
なぜネパール人のインドカレー店は
日本のどこにでもあるのか?
おいしさの裏のスパイシーな現実
いまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか? 「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか・・・その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。
目次
はじめに「ナン、おかわりどうですか?」
第一章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか
第二章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち
第三章 インドカレー店が急増したわけ
第四章 日本を制覇するカレー移民
第五章 稼げる店のヒミツ
第六章 カレービジネスのダークサイド
第七章 搾取されるネパール人コック
第八章 カレー屋の妻と子供たち
第九章 カレー移民の里、バグルンを旅する
おわりに カレー移民はどこへ行くのか
あとがき
参考文献
室橋裕和:
1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌在籍し、10ねんにわたりタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門ジャーナリストとして活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。現在は日本最大の多国籍タウン、新大久保に在住。外国人コミュニティと密接に関わり合いながら取材活動を続けている。主な著書は「北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本」(新潮社)、「ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く」(角川文庫)、「日本の異国 在日外国人の知られざる日常」(晶文社)、「ルポ コロナ禍の移民たち」(明石書店)など。
過去に読んだ本、また読んでみたい。
カラー版「インド・カレー紀行」
岩波ジュニア新書
辛島昇著、大村次郷写真
2009年6月19日第1刷発行
発行所:岩波書店