ブレイディみかこの「転がる珠玉のように」(中央公論新社:2024年6月25日初版発行)を読みました。
Like a Rolling Gem
大人の山あり谷ありライフを
越えていけ!
結婚するゲイの友人、職人魂を燃やす父、
イギリスで、日本で、社会の底を支える
労働者たちの人生劇場
泥くさい毎日を”宝石”に変える
著者3年ぶりの最新エッセイ集
「まあ、こは単なる諦めの言葉ではない。
「こんなもの」だから闘わねばならんという一段深い諦念の表明なのだ。
そう思いながらこの原稿を勢いよくタイプしていると、
夏休み中の息子が私の仕事部屋を覗きながらニヤニヤしていうのである。
「母ちゃんは、物事がうまくいってないときに
俄然生き生きしてくるね」(本文より)
目次
珠玉の世界
パンク爺
君の名は。
ロックダウン鬱と終わりの始まり
足が痒い
オンライン面談に気をつけろ
ある雑談
野暮という言葉の意味
現時点はどこ?
アニバーサリー(命日)
カミング・ホーム狂騒曲
そしてわたしは辞書を引く
通訳はつらいよ
パートナーの呼称
ギャン泣きプリンセス
お達者ブラフ
ふつうの風邪を恐れよ
街の本屋さん
ダウンの終りはアップの始まり
検査キットを求めて三千里
濡れた脱脂綿
ライフは続くよ
圧倒されるにいたらない日々
ある増殖とその連鎖
遅すぎることはない
「そんなものだ」ホラー
味覚は人の記憶を強烈に呼び覚ます
偶然は怖くない
パスポート狂騒曲
できるかな。久々の帰省
これが近未来だとすれば
「あの列」は何だったのか
リズたちのはなし
しゃもじとパン
少しずつ、少しずつでも
いつもと違うクリスマス
取り散らかった日常
ほろ酔いの人たち
日本の介護スゴイ
カントダウン
家族ミステリー
あいつらは知ったかぶる
迷惑とコスパとタイパ
サード・パーソン
世界の終りとブレインフォグ・ワンダーランド
道化と王冠
心配すべきでしょうか
つながらない権利
巻き込まれるスキル
バーベキュー・パーティー
トラベル・トラブル
民と民とのおつきあい
夏の終りと黄金の犬
顔見知りがいなくなる町で
子育てサイトの闇
15秒の名声
フェスティヴ・スピリット
フーテンの猫さん
「さよなら!」――あとがきにかえて
ブレイディみかこ:
1965年福岡市生まれ。ライター・コラムニスト。96年から英国ブライトン在住。2017年「子どもたちのブロークン・ブリテンの無料託児所から」で第16回新潮ドキュメント賞、19年「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で第73回毎日出版文化賞特別賞、第2回Yahoo!ニュース 本屋大賞ノンフィクション本大賞、第7回ブクログ大賞(エッセイ・ノンフィクション部門)を受賞。その他の著書に「ワイルドサイドをほっつき歩け――ハマータウンのおっさんたち」「THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本」「アナ―キック・エンパシーのすすめすすめ」「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」や、小説作品に「両手にトカレフ」「リスペクト――R・E・S・P・E・C・T」「私労働小説ザ・シット・ジョブ」などがある。
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