千葉市美術館で「江戸絵画縦横無尽!摘水軒コレクション名品展」を観てきました。
同時期に開催された「岡本秋暉 百花百鳥に挑んだ江戸の絵師」――摘水軒コレクションを中心に、と同じ日に観たものです。
摘水軒記念文化振興財団は、岩佐又兵衛《弄玉仙図》(重要文化財)をはじめとする肉筆浮世絵や、伊藤若冲《旭日松鶴図》等の花鳥・動物画を核とする国内有数の江戸絵画コレクションを所蔵しています。同財団のルーツである寺嶋家は江戸時代、柏村の名主を務め、水戸街道沿いの居宅「摘翠軒」は文人墨客が集う文化サロン的な役割を果たしていました。
現在の同財団所蔵品は、寺嶋家に逗留したという幕末の絵師・岡本秋暉の作品をはじめとする伝来品を母体とし、発展させたものです。肉筆浮世絵では菱川師宣、勝川春章、鳥居清長、東洲斎写楽といった代表的な絵師の優品が揃う一方、花鳥画・動物画では若冲や、円山応挙のような有名な絵師のみならず、江戸中後期を彩った南蘋派や洋風画、逸伝の絵師によるユーモラスな作品まで多岐にわたります。その収集はまさに縦横無尽。個人コレクションならではの自由で直感的な審美眼で選び抜かれた作品群は、見る者に江戸絵画の豊饒さ、純粋に絵と向き合うことの喜びと楽しさを語り掛けてくれることでしょう。本展は選りすぐりの約100件によって摘水軒コレクションの全容を紹介する、過去最大規模の機会となります。
展覧会の構成は、以下の通りです。
第1章 肉筆浮世絵の美
第2章 江戸に吹いた新風――異国へのまなざしと博物学
第3章 愉快で愛しき動物たち――いきもの、縦横無尽!
第4章 物語る動物――瑞獣、霊獣たち
ここではその2として、第3章と第4章を以下に載せます。
第3章 愉快で愛しき動物たち――いきもの、縦横無尽!
第4章 物語る動物――瑞獣、霊獣たち
「江戸絵画縦横無尽!摘水軒コレクション名品展」
主催:千葉市美術館、
公益財団法人摘水軒記念文化振興財団
編集:松岡まり江(千葉市美術館)
発行:千葉市美術館
発行日:2024年6月28日
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