見てヨシ、推してヨシ、あおいでヨシ!
歌川国芳(1797~1861)は多彩なジャンルで活躍し、現代人にも人気の浮世絵師です。これまでさまざまに紹介されてきましたが、本展では史上初めて、国芳の団扇絵だけをご覧いただきます。
団扇は、江戸っ子にとって夏の暑さをしのぐための必需品でしたが、同時にデザインを楽しむお洒落のアイテムでもあり、また歌舞伎ファンにとっては大事な推し活グッズでもありました。この団扇を作るための浮世絵、すなわち団扇絵も実は人気が高く、国芳も積極的に手がけていたのです。消耗品であることから現存数が少ないなか、本展では初展示作品、約100点を含む220点をご紹介します。目にも楽しく涼しげな、そして知られざる国芳団扇絵の世界を存分にお楽しみください。
ここがレア! ① 世界初! 団扇絵の美品が揃う
実用品である団扇絵はボロボロになるまで使われる運命にありました。しかし今回ご紹介するのは彫摺が良く保存状態も優れた作品ばかりです。団扇絵の美品が揃うだけでも非常に珍しいのですが、くわえて国芳の魅力の深堀りもできる貴重な機会といえるでしょう。
ここがレア! ② これも国芳!? 初展示作品が約100点
代表作「鏡面シリーズ 猫と遊ぶ娘」や「猫の曲まり」だけでなく、約100点の初展示作品も見どころです。これらには役者絵や美人画、またお店の宣伝用に作られたものや謎解き尽くしのものなどが含まれており、江戸の人々が日常で触れた情報や娯楽、また国芳の細やかな仕事ぶりを伝えてくれます。
ここがレア! ③ 実は役者絵も美人画も人気
ユーモラスな戯画やパワフルな武者絵のイメージが強い国芳ですが、団扇絵の題材として多いのは意外にも役者絵と美人画。暮らしのなかで使う団扇絵には親しみやすいテーマを選んでいたことがうかがえます。とりわけ女性たちのいきいきとした表情が大きく描かれた作品は見応え充分。江戸っ子に愛された愛嬌いっぱいの国芳美人をご覧ください。
ここがレア! ④ 推し活グッズの原点、ここにあり!?
団扇は現代の推し活で欠かせないグッズですが、実は江戸時代も同様でした。人気役者を描いた団扇絵が根強い人気を誇っていたのです。当時の人々も大好きなスターの姿を日用品に取り入れることで、応援するだけでなく、彼らと日常をともにする感覚も楽しんだのでしょう。その熱い思いにも触れてみてください。
展覧会の構成は、以下の通りです。
第1章 戯画とさまざまな題材
第2章 役者絵
第3章 美人画
展覧会は前後期で全点展示替えをしますが、ここでは前後期にかかわらず、図録に従い載せることにします。
まずはその1として、「第1章 戯画とさまざまな題材」から。
第1章 戯画とさまざまな題材
この後、「第2章 役者絵」、「第3章 美人画」と続きます。
「国芳の団扇絵
猫と歌舞伎とチャキチャキ娘」
2024年5月31日発行
編集:太田記念美術館
発行:太田記念美術館
「太田記念美術館」ホームページ
太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art (ukiyoe-ota-muse.jp)
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