斎藤美奈子の「あなたの代わりに読みました 政治から文学まで、意識高めの150冊」(朝日新聞出版:2024年5月30日第1刷発行)を読みました。
幅広いジャンルに圧倒されながら、一気に読みました。
震災ありコロナあり、10年分の好著快著のエッセンス
政治から文学まで、意識高めの150冊
本で人生は変わりませんが
生きる力はチャージできます。
読書は昨日を省み、明日をよりよく生きるための糧。あなたの関心にフィットした本が1冊でも2冊でも見つかれば、読書代行業としてこれほど嬉しいことはない。(「はじめに」より)
流行らなくなったのが書評集である。ネット上のレビューで十分だもんね。需要ないわよね。と思っていたので、本になるとは正直、考えていなかった。とはいえ10年に執筆した原稿を読み返すと、なによ、悪くないじゃないの。意識高めのイケてる本も多いし(自画自賛)。これは私の功績ではなく、ひとえに本の力である。
本書のベースになったのは「週刊朝日」の読書欄の連載「今週の名言奇言」(2013年2月~23年5月)である。そこで取り上げた10年分、全490冊のなかから54冊を選び、本のテーマ別に分けて収録した。Ⅰ「現代社会を深掘りすれば」では政治や社会に関連した51冊、Ⅱ「文芸書から社会が見える」では芥川賞・直木賞受賞作を含む話題の文学作品53冊、Ⅲ「文化と暮らしと芸能と」では知的好奇心をくすぐる本、暮らしや人生の指針になりそうな本50冊を紹介した。
「週刊朝日」は2023年5月30日発売号をもって101年の歴史に幕を閉じた。10年続いた連載もそれと同時に終了した。ともあれ雑誌休刊1年後にこんな本ができたのは幸運だと思っている。
目次
はじめに
Ⅰ 現代社会を深掘りすれば
ニュースの表と裏を読む
人権とジェンダーの今
職場と家庭で起きていること
地域の再生に秘策はある?
Ⅱ 文芸書から社会が見える
フィクションが現実を超えるとき
青春はカオス、家族はシュール
仕事あっての人生だから
文学のトレンドは老後にあり
本当は怖い文学の裏側
Ⅲ 文化と暮らしと芸能と
歴史っておもしろい
ネット時代の読む・書く・話す
暮らしと人生のレシピ
あの人の言葉が聞きたい
あとがき
斎藤美奈子:
1956年生まれ。文芸評論家。94年「妊娠小説」でデビュー。2002年「文章読本さん江」で第1回小林秀雄賞受賞。他の著作に、「誤読日記」「文芸誤報」「名作うしろ読み」「文庫解説ワンダーランド」「日本の同時代小説」「挑発する少女小説」「出世と恋愛」ほか多数。
過去の関連記事:
他に、(ブログを始める前に読んだもの)
「趣味は読書。」(平凡社 2003年)
「文章読本さん江」(筑摩書房 2002年)
「文壇アイドル論」(岩波書店 2002年)
「モダンガール論 - 女の子には出世の道が二つある」(マガジンハウス 2000年)
「あほらし屋の鐘が鳴る」(朝日新聞社 1999年)
「読者は踊る - タレント本から聖書まで。話題の本253冊の読み方」(マガジンハウス 1998年)
「紅一点論 - アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」(ビレッジセンター出版局 1998年)
「妊娠小説」(筑摩書房 1994年)
等々