今朝の朝日新聞に興味深い「beランキング」が出ていました。「私の恋するフェルメール」と題されていました。以下、記事の主要な箇所を載せておきます。(作品の名称は朝日新聞の記事による)
「光の魔術師」と称される17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメール。今年は日本にいながらフェルメールの作品6点に出会える「フェルメール・イヤー」です。そこで、お気に入りの作品とともに、何が見る者の心に響くのか、その魅力に迫りました。フェルメールの作品に恋する熱烈なファンは多い。それを裏付けるように「実物をみたことがある」が半数を超え、その3割は海外の所蔵する美術館や展覧会でみた経験があった。何が多くの人の心をつかむのか。その魅力をたずねると、「青い絵の具のインパクト」がトップで、「上品な静けさ」「降りそそぐ光のみずみずしさ」が上位を占めた。「印象的なポーズ」「一瞬をとらえた構図」が続く。
フェルメールの全作品を訪ね歩いた作家の有吉玉青さん(48)は、その感動を紀行エッセー「恋するフェルメール」(講談社文庫)につづっている。1位と2位にランク入りし、6月に来日する2点の魅力について、「耳飾りの少女のまなざしは、鑑賞する側の心が見透かされるよう。首飾りを手に鏡に向かう女性は、心が違うところに飛んだその一瞬をとらえている」と有吉さん。全点踏破の旅を「まるで恋人に会いに行く気分だった」と振り返る。「感動を無理に言葉にしようとはせず、ただ感じるままにじっと向き合うのも絵を見る楽しさ。そんな見方をフェルメールに教えてもらいました」と。
そしてお決まりのランキング。調査の方法は、朝日新聞の会員サービス「アスパラ・クラブ」のウェブサイトで4月にアンケートを実施した。回答者は1657人。フェルメールの作品数については諸説あるが、今回は37点から好きな作品を3点まで選んでもらった。その結果が、上の表にまとめられています。フェルメールの作品と確定されていない「フルートを持つ女」が、なぜか8位に入っています。またTakさんの出版パーティで参加者にアンケートをとったときは、1位「デルフトの眺望」、2位「絵画芸術」、3位「秤を持つ女」でした。この違いが興味深い。
フェルメールをもっと知りたい人は、東京・銀座で開催中の「フェルメール 光の王国展」(7月22日まで)もお薦めです。制作当時の色彩を再現した原寸大の複製画で、フェルメールの全作品を観ることができます。また「マウリッツハイス美術館展」が6月30日から東京都美術館で開催され、「真珠の耳飾りの少女」を観ることができます。6月13日から国立西洋美術館で開催される「ベルリン国立美術館展」では、「真珠の首飾りの少女」を観ることができます。
第1位 真珠の耳飾りの女
マウリッツハイス美術館所蔵。少女は誰か。その謎に迫った小説や映画もできた。6月30日から東京都美術館で公開予定。
第2位 真珠の首飾りの女
ベルリン国立美術館所蔵。黄のガウンは夫人の持ち物なのか、他の作品にも登場する。6月13日から国立西洋美術館で公開予定。
第3位 牛乳を注ぐ女
アムステルダム国立美術館所蔵。フェルメールの特徴の青と黄の対比が鮮やか。ありふれた庶民の日常のひとコマを描く。
第4位 窓辺で手紙を読む女
ドレスデン国立絵画館所蔵。左側から差し込む光を人物が受けるという典型的なモチーフは、この絵が初めてとされる。
第5位 手紙を読む青衣の女
アムステルダム国立美術館所蔵。修復で、ラピスラズリを使った鮮やかなブルーがよみがえる。日本で公開されたばかり。
第6位 水差しを持つ女
地図を描き込んでいるのも特徴の一つ。オランダ海運貿易が盛んだった影響も。30代前半、最盛期の作品か。
第7位 デルフトの眺望
43年の生涯を送った故郷を描く。作家プルーストが「私は世界でもっとも美しい絵画を見た」と絶賛。
第8位 フルートを持つ女
キャンバスではなく板に描かれた作品。美術館の展示ラベルには「フェルメール周辺の画家」の記述も。
第9位 手紙を書く女
「真珠の首飾りの女」と同じ白い家の縁取りのある黄色のガウンをまとっている。日本で公開されたばかり。
第10位 レースを編む女
レース編みは、当時のオランダ女性にとって大切な日常の仕事。特に小さい作品の一つ。(23.9×20.5cm)
~7月22日(日)
「マウリッツハイス美術館展」
2012年6月30日(土)~9月17日(月・祝)
「ベルリン国立美術館展」
2012年6月13日(水)~9月17日(月・祝)
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