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池上俊一の「魔女狩りのヨーロッパ史」を読んだ!

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池上俊一の「魔女狩りのヨーロッパ史」(岩波新書:2024年3月19日第1刷発行)を読みました。

 

15~18世紀、ヨーロッパ文明がまばゆい光を放ち始めたまさにそのとき、「魔女狩り」という底知れぬ闇が口を開いたのはなぜか。その起源・広がり・終焉、迫害の実態、魔女イメージを創り上げた人たち、女性への差別――進展著しい研究をふまえ、ヨーロッパの歴史を映し出す「鏡」としての魔女と魔女狩りを総合的に描く。

 

目次

 はじめに
第1章 魔女の定義と時間的・空間的広がり
 魔女とは何か
 悪魔との契約
 異端セクト化
 魔女の害悪魔術
 動物への変身と使い魔
 迫害の主対象は年老いた女性
 迫害時期・地域と規模
 魔女狩りの政治状況
第2章 告発・裁判・処刑のプロセス
 教会裁判所と異端審問制
 世俗裁判所の大きな役割
 噂から始まる魔女狩り
 魔女発見人の暗躍
 魔女委員会と請願
 訴訟の展開
 全身検査と拷問
 量刑および処刑方法
第3章 ヴォージュ山地のある村で
 魔女の「巣窟」としての山間奥地
 農民たちに流布する対抗呪術と招福呪術
 ブルオモン村のピヴェール家とドマンジュ家
 ピヴェール家に掛けられた嫌疑
 少女マンジェットの告発と崩壊する家族
 祖母に責任を!
 人間の弱みにつけ込む司法機構
第4章 魔女を作り上げた人々
 中世の神学者
 教皇と説教師と大学
 悪魔学者の重責
 『魔女への鉄槌』
 ジャン・ボダン
 ニコラ・レミ
 ジェイムズ六世
 アンリ・ボゲ
 ピエール・ド・ランクル
 他の悪魔学者たち
第5章 サバトとは何か
 サバトの誕生と発展
 サバト開催地と日時
 夜間空中飛行と膏薬作り
 悪魔への臣従とさかさまの宗教儀式
 人肉食宴会・狂乱ダンス・乱交
 絵画と印刷文化によるイメージ拡散
第6章 女ならざる“魔女”――魔女とジェンダー
 男の“魔女”=妖術師
 魔術師の肯定的評価とメランコリー
 世代間闘争が魔女狩りを生み出す
 裁かれる子どもたち・告発する子どもたち
 家族現象としての魔女
第7章 「狂乱」はなぜ生じたのか――魔女狩りの原因と背景
 悪天候・疫病・戦争
 農村共同体の解体とスケープゴート
 賢女と魔女
 都市の魔女
 都市エリートによる農村の文化変容
 国家権力の発現としての魔女狩り
 カトリックとプロテスタントの相克
 社会的規律化
第8章 魔女狩りの終焉
 魔女狩りに反対した人々
 一七世紀の悪魔憑き事件
 高等法院の開明的態度
 理性への信頼と啓蒙主義
 魔女のグローバル・ヒストリー
 カウンター・カルチャーとしての新魔女運動
おわりに――魔女狩りの根源
あとがき
主要参考文献・図版出典一覧

 

池上俊一:
1956年,愛知県生まれ
現在―東京大学名誉教授
専攻―西洋中世・ルネサンス史
著書―『フィレンツェ――比類なき文化都市の歴史』(岩波新書)
   『ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動』(岩波ジュニア新書)
   『ヨーロッパ史入門 市民革命から現代へ』(岩波ジュニア新書)
   『歴史学の作法』(東京大学出版会)
   『ロマネスク世界論』(名古屋大学出版会) ほか


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