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千葉雅也の「センスの哲学」を読んだ!

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千葉雅也の「センスの哲学」(文藝春秋刊:2024年4月10日第1刷発行、2024年4月25日第3刷発行)を読みました。

 

これは「センスが良くなる本」です。

というのは、まあハッタリだとして、

ものを見るときの「ある感覚」を

説明したいと思います。

 

・「センスが無自覚な状態」からセンスに目覚める

・意味や目的から離れ、ものごとをリズムで捉えること

・センスの良さは「並べる」に宿る

 

本書は最終的には、センスの良し悪しの「向こう側」にまで広がっていくことになります。いったんセンスが良くなる方向から、センスなどもはやどうでもよくなるアンチセンスの方へ。

 

センスの哲学 目次

はじめに 「センス」という言葉

  直観的にわかる

  センスと文化資本

  人間とは「余っている」動物である

  センスの良し悪しから、その彼方へ

第一章 センスとは何か

  感覚と思考

  「選ぶセンス」から出発する

  センスが無自覚な状態

  上手い/下手から、ヘタウマへ

  センスが無自覚な部屋

  センスとはヘタウマである

  土俵自体を変えてしまう

  モデルの再現から降りること、AIの「学習」

第二章 リズムとして捉える

  意味から強度へ

  形も味もリズムである――スタジオライトと餃子餃子

  複数の流れを「多重録音」のように捉える

  最小限のセンスの良さ――リズムの面白さに気づく

  気軽にできるモダニズム

  ラウシェンバーグと餃子

第三章 いないいないばあの原理

  リズムに乗ること

  うねりとビート

  物語と「欠如」

  いないいないばあの原理

  サスペンス=いないいないばあ

  日常のサスペンス

第四章 意味のリズム

  大きな意味から小さな意味へ

  人生の多面性

  モダニズム、フォーマリズム

  感動を半分に抑え、ささいな部分を言葉にする

  意味とは何か――近い/遠い

  AIと人間――ChatGPTから考える

  対立関係とリズム

  意味のリズム

  感動は二つある――大まかな感動と構造的感動

  エンターテインメントと純文学

前半のまとめ

第五章 並べること

  映画の「ショット」と「モンタージュ」

  よくわからないモンタージュの面白さ

  予測誤差の最小化

  それでも人はサスペンスを求める――予測誤差と享楽

  「何をどう並べてもいい」ということ

  つながるかどうかは設定次第

第六章センスと偶然性

  「全芸術」で考える

  美と崇高――偶然性にどう向き合うか

  「作ろうとする」から「結果的にできる」

  届かないズレと超過するズレ

  自分に固有の偶然性

第七章 時間と人間

  芸術とは時間をとること

  ベルグソンの時間論

  可能性の溢れを限定する

  人間の多様性

  目的志向と芸術的宙づり

第八章 反復とアンチセンス

  芸術の意味

  芸術と「問題」

  作品とは「問題」の変形である

  どうしようもなさとジレンマ

  センスとアンチセンス

  デモーニッシュな反復

付録 芸術と生活をつなぐワーク

読書ガイド

おわりに 批評の権利

 

千葉雅也:

1978年栃木県生まれ。東京大学教養学部卒業。パリ第10大学および高等師範学校を経て、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。博士(学術)。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。

「働きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学」(第4回紀伊國屋じんぶん大賞、第5回表象文化論学会賞)、「勉強の哲学――来たるべきバカのために」、「アメリカ紀行」、「デッドライン」(第41回野間文芸新人賞)、「マジックミラー」(第45回川端康成文学賞、「オーバーヒート」所収)、「現代思想入門」(新書大賞2023)など著書多数。

 

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