浅田彰の「構造と力 記号論を超えて」(中央公論新社:2023年12月25日初版発行、2024年1月15日再販発行)を読みました。
「構造と力」がついに文庫化された。、刊行は983年、当時26歳の浅田彰を世に知らしめた本書は、80年代の出版界を沸かせた新しい学知の動き、いわゆる「ニュー・アカデミズム」の代表的一冊である。現在は2023年であり、それからちょうど40年になる。長きにわたり、伝説の本として語られ、読み継がれてきた。
「構造と力」は、日本におけるフランス現代思想の受容に大きな役割を果たした。本書は、「チャート式参考書」のように書こうとした、と「あとがき」で述べられているが、複雑怪奇に見えたフランスの構造主義~ポスト構造主義の理論を、驚くべき鮮やかさで整理している。削ぎ落し、圧縮している。(千葉雅也「解説」より)
シラケつつノリ、ノリつつシラケる――。最先端の知の位相を、縦横に、そして軽やかに架橋する。
1983年の初刊以来、40年にわたり読みつがれてきた名著、待望の文庫化!
ポストモダン/現代思想をはじめて明晰に体系化、1980年代には、「ニュー・アカデミズム」を代表する一冊として、社会現象にもなった。しかし、冷戦終結後30年を経て、世界はいまだポストモダンのパースペクティブを描けていない。本書の理論は、混迷する現代社会・思想状況を理解するうえで、今なお新しい。〈解説〉千葉雅也
浅田彰:
1957年、神戸市に生まれる。京都大学経済学部卒業。京都大学人文科学研究所および経済研究所を経て、京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)教授に。現在、ICA(Institute of Contemporary Arts)Kyoto所長。83年、「構造と力」を発表、翌年「逃走論」における「スキゾ/パラノ」のパラダイムとともに、時代を画する理論を提示した。その後、哲学・思想史のみならず、美術、建築、音楽、舞踊、映画、文学ほか多種多様な分野において批評活動を展開。ほかの著書に、「ヘルメスの音楽」「映画の世紀末」「20世紀文化の臨界」など。
「逃走論」
ちくま文庫
1986年12月1日第1刷
2023年6月5日第23刷
著者:浅田彰
発行所:筑摩書房
朝日新聞:2024年3月2日
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