嵐山光三郎の「『世間』心得帖」(ちくま文庫:2021年10月10日第1刷発行)
を読みました。
嵐山光三郎さんは、当代で
一、二と数えられる名随筆家
――瀬戸内寂聴
ユーモアと博識、練達の筆であきらかにする
「世間」の正体
世間知らずの若き日に学んだ世間、文士の万華鏡的世間、長年「世間」について考察してきた著者が、経験と博識とユーモアを駆使して語る巷の真実。
「社会学部はあっても世間学部はなくて、世間そのものは厳然としてあるのだった。世間は学問のレベルをはるかに超越した虚空にあるものと思えた」(本文より)。若き日に学んだ「世間」、万華鏡のように千変万化する文士的「世間」、夫婦の、老人の……変遷するこの不可思議なものを追いながら、巷に潜む「世間」を描く。博識と豊富な経験とユーモアが横溢し、熟達の筆が明らかにする「世間」の姿とは。
目次
序章 「世間知らず」から始まる
PART1 あの世と脳内世間
PART2 世間というワクチン
PART3 文士と世間万華鏡
PART4 「世間」を味わいつくす
あとがき
嵐山 光三郎:
1942年静岡県生まれ。『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』(のちに『芭蕉紀行』に改題)によりJTB紀行文学大賞受賞。新たな芭蕉像を描いた『悪党芭蕉』で、泉鏡花文学賞、読売文学賞をダブル受賞。他に『文人悪食』『不良定年』『枯れてたまるか!』『漂流怪人・きだみのる』『ごはん通』『芭蕉という修羅』『年をとったら驚いた!』『ゆうゆうヨシ子さん』『生きる!』など著書多数。
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