佐藤正午の「冬に子供が生まれる」(小学館:2024年2月4日初版第1刷発行)を読みました。
作家生活40周年の佐藤正午氏「僕にとって小説を書き続けるというのは、小さなことを倦まずに続けるということ」
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著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作
その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。
現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。
彼が目にしたのはこんな一文だった。
今年の冬、彼女はおまえの子供を産む
これは未来の予言。
起こりうるはずのない未来の予言。
だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。
これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。
そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。
丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。
三十年前にかわした密かな約束、
二十年前に山道で起きた事故、
不可解な最期を遂げた旧友……
平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。
『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
佐藤正午:
1955年長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。1983年に『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞を受賞し、翌年デビュー。2015年『鳩の撃退法』で第6回山田風太郎賞、2017年『月の満ち欠け』で第157回直木賞を受賞。著書は他に『彼女について知ることのすべて』『Y』『ジャンプ』『5』『身の上話』等。また『ありのすさび』『side B』『書くインタビュー』などエッセイも人気。映像化作品も多数。身長は「確か175~180の間くらい」、60kg、AB型。
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