戸谷洋志の「哲学のはじまり」(NHK出版:2024年2月25日第1刷発行)を読みました。
戸谷洋志の本は、「原子力の哲学」を読みましたが、その時、以下のように書きました。
ある時、これを読まないことには何ごとも始まらないと思い至って、一気に読みました。とはいえ、とんでもなく難しい本でした。果たして理解したかどうかは、神のみぞ知る?
哲学の三大テーマが、この1冊で理解できる!
存在論、認識論、価値論。
三つの基本を紐解けば、驚くほど哲学が「分かる」ようになる!
知識ゼロからはじめる哲学入門の王道。
「哲学って難しそう・・・」
その先入観がひっくり返る!
プラトン、アリストテレス、デカルト、カント、ヘーゲル、ベンサム、
フッサール、ハイデガー・・・
「NHK100分de名著」で話題を呼んだ哲学界の俊英が、代表的な哲学の数々を、要点を絞って鮮やかに解説。楽しく学べる哲学の地図。
哲学の世界では2000年以上もの間、数々の哲学者が膨大な思想や哲学書を生み出してきた。しかし私たちは、それらがあまりに多様かつ難解で、どこから学び始めればいいのか分からない。そこで注目するのが、哲学の基礎をなしている三大テーマ、存在論・認識論・価値論。それらの領域を「はじまり」から紐解けば、驚くほど哲学が「分かる」ようになる。
目次
第1章 哲学とはどんな学問か
哲学の特徴
常識とは強制されたもの
なぜ哲学は「ちょっと何言ってるか分からない」のか
知識だけでは意味がない
哲学は建物の土台
概念の繋がりに注目する
学ぶべき三つの特徴
第2章 存在とは何か
存在の二つの意味
本質と偶有性
プラトンの「イデア」
アリストテレスの「形相」
存在そのものに本質はあるのか
人はいつでも自分を変えていける
「私」が「私」である理由はない
ハイデガーの「決意性」
第3章 認識とは何か
正しい知識と権威主義
デカルトの「方法的懐疑」
科学は本当に正しいのか
因果律という大前提
カントが考えた三つの認識能力
宇宙の始まりは実証できない
フッサールの「現象学」
エビデンスより大事なもの
第4章 価値とは何か
倫理学とは何か
ベンサムの「功利主義」
カントの「義務論」
美学とは何か
カントの「自然美」
ヘーゲルの「芸術美」
おわりに
もっと哲学を学びたい人のためのブックガイド
戸谷洋志:
1988年東京都生まれ。関西外国語大学英語国際学部准教授。法政大学文学部哲学科卒業後、大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。ドイツ現代思想研究に起点を置いて、社会におけるテクノロジーをめぐる倫理のあり方を探究する傍ら、「哲学カフェ」の実践などを通じて、社会に開かれた対話の場を提案している。著書に「ハンス・ヨナスの哲学」(角川ソフィア文庫)、「ハンス・ヨナス 未来への責任 やがて来たる子どもたちのための倫理学」(慶應義塾大学出版会)、「原子力の哲学」「未来倫理」(集英社新書)、「スマートな悪 技術と暴力について」(講談社)、「友情を哲学する 七人の哲学者たちの友情観」(光文社新書)、「SNSの哲学 リアルとオンラインのあいだ」(創元社)など。2015年「原子力をめぐる哲学 ドイツ現代思想を中心に」で第31回暁鳥敏賞受賞。
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