国立近現代建築資料館で「日本の近現代建築家たち 飛躍と挑戦」を観てきました。
文化庁国立近現代建築資料館は、,2013年5月に開館して以来、重要な近現代建築関連資料を収集してきました。設立10周年を迎える現在、コレクション(所蔵資料群)は30に及び、手描き図面を中心とした建築資料数は、20万点を超えました。
本展覧会では、日本の近現代建築の展開にとって重要な意味をもつ、12名の建築家たちの収蔵資料群を選りすぐって、2部に分けて紹介します。
「第1部:覚醒と出発」では、建築家たちが欧米の近代建築を学んだ末に生み出された、日本の近代建築の発展に貢献した作品、あるいは、建築家の名を一躍世に広めた名作などを展示します。それぞれの建築家たちがどのような想いと情熱から作品を発想し実現させたか、更に、これらの作品が社会や建築史においてどのような評価や位置づけとなってゆくかをたどります。
「第2部:飛躍と挑戦」では、建築家たちの飽くなき挑戦の数々を紹介します。代表的な作品のみならず、未完に終わった名作や設計競技(コンペ)への意欲的な応募案を加えた展示を通じて、生涯かけて挑み続ける建築家たちの創造力と生き様を、多面的にご覧いただきます。
資料は、図面をはじめ、スケッチ、関連資料、日記、アルバム等、多岐に渡ります。それらを通して、建築家たちの努力と挑戦の軌跡と当資料館の活動の成果をご理解いただければ幸いです。
(小林勝弘:当館主任建築資料調査官、東京都立大学名誉教授)
第2部 飛躍と挑戦
吉田鉄郎:東京中央郵便局(1931年)、忠霊塔コンペ案(1939年)
岸田日出刀:ゴルフコースと倶楽部ハウスのデザイン
坂倉準三:新宿西口計画(1966年)、神奈川県庁新庁舎(1966年)
前川國男:ポンピドゥセンターコンペ案(1971年)、最高裁判所コンペ案(1968年)
丹下健三:シンガポール・スポーツ・コンプレックス計画(1972年)
吉阪隆正:大学セミナーハウス(1965年)
大髙正人:京都国際会議場コンペ案(1963年)、広島基町・長寿園団地(1978年)
高橋靗一*:浪速芸術大学コンペ案(1964年)、群馬県立館林美術館(2001年)*(靗一の「靗」は青偏に光)
大谷幸夫:国立京都国際会館(1963-1966年)、最高裁判所コンペ案(1968年)
菊竹清訓:海上都市、京都国際会議場コンペ案(1963年)、アクアポリス(1975年)
原広司:ケルン・メディアパーク・コンペ案(1988年)、影のロボット(1986年)
安藤忠雄:水の教会(1988年)
東京中央郵便局
浪速芸術大学学園
総合計画設計競技応募案
大学セミナーハウス
新宿西口計画
神奈川県庁新庁舎
最高裁判所庁舎設計競技応募案
ポンピドゥ・センター
国際設計競技応募案
アクアポリス・
沖縄国際海洋博覧会
広島市基町団地・
広島県長寿園団地
水の教会
群馬県立館林美術館
展覧会
文化庁国立近現代建築資料館
10周年記念アーカイブス特別展
「日本の近現代建築家たち」
会期
第一部 2023年7月25日(火)~2023年10月15日(日)
第二部 2023年11月1日(水)~2024年2月4日(日)
主催:文化庁
会場:文化庁国立近現代建築資料館
図録
文化庁国立近現代建築資料館
10周年記念アーカイブス特別展
「日本の近現代建築家たち」
2023年11月1日発行
発行・監修:文化庁
編集:文化庁国立近現代史料館
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