春画ールの「江戸の女性たちはどうしてましたか?」(晶文社:2021年12月20日初版)を読みました。
「江戸期は、みな性愛におおらかで情愛に満ちていた」
――なんてことはなかった!?
当時の生理用品を再現し、謎のお香を調合し、御呪いも試してみたり・・・
江戸の性文化を実際に「やってみ」ながら、
その背景を探る、令和的探究録。
目次
01 いまなぜ「春画」なの?わたしたちの「性」を考える春画の世界へようこそ
02 「性を楽しみたい」という前向きなエッセンスを生活に
03 ベッドで相手を受け入れられなくても自分を責めないで
04 「慰め」なんかじゃない!自分の幸せとともにあるマスターベーション
05 自分よがりはいけないよ!交合はお互いが楽しくないと
06 江戸期のムラムラするお香は、本当にムラムラしちゃうのか?
07 「性器はその人の第二の顔」?江戸から伝わるアソコと外見の関係
08 「運命の赤い糸」、もとは「赤い縄」だった?・・・え、「大麻の糸」だった!?
09 人はなぜ性具を用いるのか?
10 もし江戸期にコンドームがあったなら?根拠のない避妊法
11 恋をしたら「ねずみのきんたま」を陰干し・・・?江戸期からみんな願掛けが好き
12 死への恐れを、わらいに変えることができるのか?
13 なぜ日本人はキスをするのか?「キス」を紐解く
14 江戸期の生理用品「御馬の折り方」再現して使用してみた
15 江戸期もセックスの痛みに悩んでいた――昔の潤滑剤を作ってみよう
16 江戸期に手マンを追求した本がある
17 江戸期の性愛における乳房
18 <実験>アンダーヘアからあいい香りはさせられるのか?――お香を焚いてみた
19 わたしの奥まで来て!もう毎日来場して――「だいしゅきホールド」は古くからある
20 セックスの「イク」とはどこへ行く?――性と死の関係性を添えて
21 なぜアソコに締まりの良さを求めるのか?――江戸期の秘薬を試してみた
22 相手をメロメロにするには?江戸期に性のハウツー本が広まった背景
23 書下ろし① 江戸期のインスタントおもちゃを作って再現してみた
24 書下ろし② 女相撲と大力は誰のもの?
あとがき
引用・参考文献一覧
掲載図録一覧
春画ール:
1990年、愛媛県生まれ。学生時代に見た、葛飾北斎の「蛸と海女」で春画に目覚める。市井の春画ウォッチャーの視線で、春画の魅力や楽しみ方を模索する。2018年より「春画ール」の名で活動をスタートし、「現代人が見る春画」をコンセプトに、国内外への発信を続けている。恋愛メディア「AM」にて『令和奇聞』連載中。新潮社PR誌「波」にて『春画の穴』連載中。著書に「春画にハマリまして。」(CCCメディアハウス)。
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