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川上弘美の「恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ」を読んだ!

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川上弘美の「恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ」(講談社:2023年8月22日第1刷発行)を読みました。ほぼ自伝とも受け取れるような小説。時間と人名が錯綜し、読むほうが混乱する。

 

あ、また時間に捕まえられる、と思った。
捕まえられるままに、しておいた。


小説家のわたし、

離婚と手術を経たアン、

そして作詞家のカズ。
カリフォルニアのアパートメンツで

子ども時代を過ごした友人たちは、
半世紀ほどの後、東京で再会した。
 

積み重なった時間、経験、恋の思い出。
それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。
じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。

 

「生まれてそして死ぬという時間の間に、いったいわたしたちはどのくらいたくさんのことを感じ、考え、忘れてゆくのだろう」(本文より)

 

目次

恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ
遠ざかる馬のうしろ姿
あれから今まで一回もマニキュアをしたことがない
夜中目が覚めた時に必ず考える
そういう時に限って冷蔵庫の中のものが
吉行淳之介だけれど、もともとは牧野信一の
不眠症の伯爵のために
二番めに大切なものを賭ける
小面、若女、増、孫次郎、万媚など
流れるプールに流される
すでに破いて中味が空になっている部分
ロマン派
最初に読んだ三島由紀夫の小説は
水でぬらすと甘い匂いがする
袋いっぱいに黒い種が
山羊はいなかった
栃木に飛んでいく

 

川上弘美:
1958年、東京都生まれ。’94年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。’96年「蛇を踏む」で芥川賞、’99年『神様』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、’01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、’07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、’15年『水声』で読売文学賞、’16年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞。’23年フランス芸術文化勲章オフィシェを受章

 

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