山下裕二の「日本美術 この一点への旅」(集英社:2023年9月10日第1刷発行)を読みました。
この作品を見るためなら、旅してヨシ!
人気美術史家が「作品本位」で選ぶ
47都道府県の美術館ガイド!
縄文から平成まで、ぜひ見てほしい
日本美術の名作・知られざる一品を一挙紹介!
所蔵先まで旅をすると、作品との距離感がグッと縮まり、
感動がより大きくなる!
日本美術の「真価」を知るには、所蔵先まで旅するのがベストです。「混まないから作品とじっくり向きあえる」ことに加え、「その土地と作品のつながりをリアルに実感できる」「当初意図された通りの展示空間で見られる」など、鑑賞体験の感動が何倍にも増大することも。なかには、「国宝の屏風絵をガラスケースなしで見られる」というスペシャルな機会もあり!
本書は、日本各地の「旅してでも見る価値がある作品」=「この一点」を山下先生の独自の視点で厳選し、詳しい解説とともにオールカラーで紹介しています。全62施設(寺院含む)、47都道府県を網羅しているから、どこからでもスタート可能。お目当ての作品の展示時期を調べたら、いざ、「この一点」を楽しむ旅へ! 美術好き・旅好きにおすすめの一冊です。
【本書に収録した作品】
三岸好太郎『飛ぶ蝶』(北海道)/棟方志功『花矢の柵』(青森県)/狩野永徳『上杉本洛中洛外図屏風』(山形県)/木村武山『阿房劫火』(茨城県)/『捕鯨図万祝』(千葉県)/鏑木清方『一葉女史の墓』(神奈川県)/『火焔型土器(指定番号1)』(新潟県)/『風俗図(彦根屏風)』(滋賀県)/長沢芦雪『龍図』(和歌山県)/正阿弥勝義『菊花・虫図皿』(岡山県)/雪舟等楊『四季山水図(山水長巻)』(山口県)/副島種臣『帰雲飛雨』(佐賀県)/田中一村『不喰芋と蘇鐵』(鹿児島県)ほか。
山下裕二:
美術史家、明治学院大学教授。1958年、広島県生まれ。東京大学大学院修了。専門は室町時代の水墨画。1996年に赤瀬川原平と結成した「日本美術応援団」の団長として縄文から現代美術まで幅広く論じ、講演、展覧会監修などを通じて日本美術の魅力の発信に努める。著書に「商業美術家の逆襲」「日本美術の底力」(ともにNHK出版新書)、「日本美術応援団」「京都、オトナの修学旅行」(ともに赤瀬川原平との共著、ちくま文庫)、「驚くべき日本美術」(橋本麻里との共著、集英社インターナショナル)ほか多数。
過去の関連記事:
山下裕二の「商業美術の逆襲 もうひとつの日本美術史」を読んだ!
山下裕二の「日本美術の底力 『縄文×弥生』で解き明かす」を読んだ!
山下裕二の“日本美術”の誕生!~幕末から明治時代「激動の美術」~を聞いた!