小川洋子の「陶酔短篇箱」(河出文庫:2017年6月20日初版発行、2022年11月30日2刷発行)を読みました。
2009年に「小川洋子の偏愛短篇箱」を作ってから4年が過ぎ、思いがけず今回、再びアンソロジーを編む機会に恵まれた。偏愛から陶酔へ、タイトルは変化したが、自分の好きな作品を集めるという根本には変わりがない。
短編と短編が出会うことでそこに光が輝き、どこからともなく思いがけない世界が浮かびあって見えてくる・・・
川上弘美「河童玉」、泉鏡花「外科室」など魅惑の短編16篇と小川洋子の解説エッセイが奏でる極上のアンソロジー。
小川洋子の「陶酔短篇箱」目次
文庫版によせて 小川洋子
河童玉 川上弘美 仏頂玉
遊動円木 葛西善蔵 友だちに恵まれない人生
外科室 泉鏡花 鳴らないポケットベル
愛撫 梶井基次郎 文鳥のピアス
牧神の春 中井英夫 動物園の檻
逢びき 木山捷平 ズロース問題
雨の中で最初に濡れる 魚住陽子 禁を犯す
鯉 井伏鱒二 食べてはならないもの
いりみだれた散歩 武田泰淳 食パンの死骸
雀 色川武大 死後の父
犯された兎 平岡篤頼 バニーガールの尻尾
流山寺 小池真理子 焼香の列
五人の男 庄野潤三 選択のやり直し
空想 武者小路実篤 空想倶楽部
行方 日和聡子 影踏み
ラプンツェル未遂事件 岸本佐知子 塔と刺繍
私の陶酔短篇箱 小川洋子
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