ブレイディみかこの「リスペクト」(筑摩書房:2023年8月5日)を読みました。
ロンドンオリンピックの2年後――
2014年にロンドンで実際に起きた
占拠事件をモデルとした炸裂作!
「やれるか、やるべきか、じゃない。
やるしかないときがある。」
”あたしはもう黙らない。誰だろうと、
私たちの尊厳を踏みつけることは許されない。
自分たち自身でやってやる!”
エンパシーからリスペクトへ。
他者への、そして自らへの。
東京オリンピックから2年後の「日本」に炸裂する、
ブレイディみかこ本領発揮の傑作小説、誕生。
【小説のモデルになった事件とは?】
ロンドンオリンピックの2年後、オリンピックパーク用地だったロンドン東部のホームレス・シェルターを追い出されたシングルマザーたち(FOCUS E15マザーズ)が、公営住宅占拠運動を起こした。彼女たちの運動はオリンピックに端を発する下町のジェントリフィケーション*への抵抗であり、反緊縮運動の象徴でもあった。さらに同運動は2014年のカーペンターズ公営住宅地の空き家占拠・解放活動へと繋がっていく。
*ジェントリフィケーション(gentrification)――都市において、低所得の人々が住んでいた地域が再開発され、お洒落で小ぎれいな町に生まれ変わること。「都市の高級化」とも呼ばれ、住宅価格や家賃の高騰を招き、もとから住んでいた貧しい人々の追い出しに繫がる。
バービー氏、栗原康氏、絶賛!
「音楽が湧き出る文章にノッていたら、
知らぬ間に迫られていた。
お前の正義はどこにある?」 ――バービー(お笑い芸人・フォーリンラブ)
「占拠!占拠!占拠!
いまここに支配のない共同の生をつくりだせ。
E15ロージズはわたしだ。」 ――栗原康(政治学者)
ブレイディみかこ:
ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。
音楽好きが高じてアルバイトと渡英をくり返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年、「子どもたちの階級闘争」(みすず書房)で第16回新潮ドキュメント賞受賞。2018年、同作で第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞候補。2019年、「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(新潮社)で第73回毎日出版文化賞特別賞受賞、第2回Yahoo!ニュースー本屋大賞、ノンフィクション本大賞受賞、第7回ブクログ大賞(エッセイ・ノンフィクション部門)受賞。
朝日新聞:2023年8月11日
「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
著者:ブレイディみかこ
2019年6月20日発行
2020年3月25日16刷
株式会社新潮社