島田雅彦の「パンとサーカス」(講談社:2022年3月22日第1刷発行)を読みました。
島田雅彦はひねくれてる。日本の現状を憂いた自民党批判小説で、日米関係に対しての意義申立てでもある、557ページの大作。
2020年7月31日から2021年8月29日に、北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞の各紙にて連載された内容を、加筆、修正のうえ刊行したもの。
パンとサーカス(羅: panem et circenses)は、詩人ユウェナリス(西暦60年 - 130年)が古代ローマ社会の世相を批判して詩篇中で使用した表現。権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によってローマ市民が満足して政治的無関心になっていることを指摘した。
物質主義の例えとしてしばしば用いられる名言であり警句である。現在では愚民政策の比喩として用いられることもある。日本語では「パンと見世物」とも表記される。(「ウィキペディア」による)
政治的関心を失った民衆には、食料(パン)と見世物(サーカス)を与えておけば支配は容易い。戦争、犯罪、天災、疫病――どれもがサーカスとなる。不正隠蔽の犠牲となった父親の復讐を果たすため、CIAエージェントになった男は、日・米両政府の表と裏を巧みに欺き、いつしか日本国民の仇をとる。ヤクザの二代目、右翼のフィクサー、内部告発者、ホームレス詩人……世直しか、テロリズムか? 諦めの横溢する日本で、いざ、サーカスの幕が上がる!
「私の暴走にどうかお付き合いください」 ――島田雅彦
メディアやSNSで話題沸騰! 続々重版!
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”政治小説(エンターテインメント)”
日米同盟という名の永続占領から自由日本を開放する
革命戦士たちの叙事詩 ――前川喜平
スケールの大きな謀略小説であり、極辛の政治風刺劇であり、
極太のエンターテインメントである ――鴻巣友季子
パンとサーカスさえ与えておけば国民はおとなしくしているなんて思っているヤツらに一泡吹かせたい ――永江 朗
私たちが夢想する革命に立ち上がる主人公に
快哉を叫んだ! ――立川談四楼
島田雅彦:
1961年、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒。
1983年「優しいサヨクのための嬉遊曲」を発表し注目される。1984年「夢遊王国のための音楽」で野間文芸新人賞、1992年「彼岸先生」で泉鏡花文学賞、2006年「退廃姉妹」で伊藤整文学賞、2016年「虚人の星」で毎日出版文化賞、2020年「君が異端だった頃」で読売文学賞を受賞。著書は「天国が降ってくる」「僕は模造人間」「彗星の住人」「美しい魂」「エトロフの恋」「フランシスコ・X」「佳人の奇遇」「徒然王子」「悪貨」「カタストロフ・マニア」「スノードロップ」「スーパーエンジェル」など多数。
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これから読む本
「小説作法ABC」
著者:島田雅彦
発行:2009年3月25日
発行所:株式会社新潮社
「小説作法XYZ 作家になるための秘伝」
著者:島田雅彦
発行:2022年5月25日
発行所:株式会社新潮社
「島田雅彦芥川賞落選作全集 上」
河出文庫
2013年6月20日初版発行
「島田雅彦芥川賞落選作全集 下」
河出文庫
2013年6月20日初版発行