ヒューマニスティックなまなざしで70年以上写真を通して人間のドラマを描き続けてきた日本写真界の巨匠、田沼武能の傑作を展示!
田沼 武能(たぬま・たけよし)
1929年、東京・浅草生まれ(2022年6月1日没)。1949年にサン・ニュース・フォトスに入社後木村伊兵衛に師事。1966年、アメリカのタイム・ライフ社と契約。ライフワークとして世界の子供たち、人間のドラマ、武 蔵野や文士・芸術家の肖像を撮り続けた。1995年から2015年まで日本写真家協会会長を務める。同年、東京工芸大学教授に就任(2004年より名誉教授)。1979年モービル児童文学賞、1985年菊池寛賞などを受賞。1990年紫綬褒章、2002年勲三等瑞宝章を受章、2003年文化功労者に表彰され、2019年に写真家初の文化勲章を受章。2020年朝日賞特別賞を受賞。
本展の見どころ
1. 逝去後初となる大規模回顧展! 205点の傑作を一挙展示
2. 3章構成で辿る、70年以上にわたる写真家人生の軌跡
3. 「武蔵野」シリーズより、未発表作品を初公開!
TOPICKS 1 逝去後、初となる大規模回顧展!205点の傑作を一挙展示
田沼武能は1929年に東京、浅草の写真館の子として生まれました。2022年6月に93歳で急逝するま で、70年あまり写真家として活躍し、日本写真界に多大なる功績を残しました。本展は、田沼の逝去後初 めて開催する大回顧展です。
TOPICKS 2 3章構成で辿る、70年以上にわたる写真家人生の軌跡
第1章「戦後の子供たち」
自身も思春期を戦時下で過ごし、東京大空襲で凄惨な経験をした若き日の田沼は、生まれ育った下町で 終戦後の東京で生きる子供たちの姿を活写しました。田沼は、 著書(※)の中で「子供は地球の鏡であり、 歴史の鏡であり、時代の鏡である」という考え方を示しています。戦後の荒廃した日本で強く、たくましく生 きる子供たちの姿とそのまなざしは、観るものを魅了する力強い生命力を感じさせます。
第1章「戦後の子供たち」では、生き生きとした子供たちの姿と、彼らが映す今は失われた昭和の日本の 姿を63点の作品を通して伝えます。 ※ 『田沼武能写真集 戦後の子供たち』(新潮社、1995年)より
「人間讃歌 田沼武能」
編集:関次和子(東京都写真美術館)
発行:公益財団法人東京都歴史文化財団東京都写真美術館
2023年6月2日初版第1刷発行
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