ヒューマントラストシネマ有楽町で、リー・ルイジュン監督の「小さな麦の花」を観てきました。
お互いを思いやり、力を合わせて生きる二人。少しずつだが作物も実り、収穫があるようになる。家も小さいながら自分たちで造る。二人はやっと幸せを手にしたかと思いきや、しかし変わりゆく時代に翻弄され、クイインは水路に流されて亡くなり、ヨウティエは家を捨て町で暮らす決心をする。
映画は自然豊かに丁寧につくられていて、胸が熱くなります。
ロバやひよこ、麦の種でつくる花…
農村の四季の喜びと美しさ。
2011年、中国西北地方の農村。貧しい農民ヨウティエと内気なクイイン。互いに家族の厄介者だったふたりは、見合い結婚。やがて、互いを慈しみ、力を合わせ、作物を育て、自分たちの手で質素な家を作り、慎ましくも日々を生きる。だが、自然の猛威や変わりゆく時代の波にさらされ......。ベルリン国際映画祭の星取りで驚異の4.7点(5点が満点)をマークするもなぜか無冠。しかし中国で公開されるとTikTokでの「泣ける映画」「感動作」など絶賛口コミが火付け役となり、若い世代を中心に社会現象に。興収20億円を超える大ヒットとなり、<奇跡の映画>とまで呼ばれたのが、この『小さき麦の花』だ。
以下、シネマトゥデイによる。
見どころ:
第72回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されたドラマ。家族から厄介者扱いされていた男女が夫婦となり、社会の変革などに翻弄(ほんろう)されながらも絆を深めていく。監督は『僕たちの家に帰ろう』などのリー・ルイジュン。『白鶴に乗って』でもルイジュン監督と組んでいるウー・レンリン、『オペレーション:レッド・シー』などのハイ・チンのほか、ヤン・クアンルイ、チャオ・トンピン、ワン・ツァイランらが出演する。
あらすじ:
2011年、中国西北地方の農村。貧しい農家の四男・ヨウティエ(ウー・レンリン)は、三男ヨウトン(チャオ・トンピン)から厄介者として扱われながら彼の家で暮らしていた。あるとき、彼は体に障害のあるクイイン(ハイ・チン)と見合いをして夫婦になる。ヨウティエとクイインは不器用ながらも互いに思いやって慎ましく生きるが、農村改革によって住んでいた空き家を追い出される。立ち退きの補償金を元手にするなどして自分たちの家を建てる二人だが、突然クイインが命を落とす。
朝日新聞:2023年2月17日