松岡美術館で「めぐりあうものたち 企画展1 霊獣の文様(しるし)」を観てきました。
以下、松岡美術館ホームページより
再開記念展 松岡コレクションの真髄「館蔵 東洋陶磁名品選 松岡清次郎の志をたどる」
創立者 松岡清次郎は、若いころから美しいものに憧れ、25歳のとき美術品の蒐集をはじめました。約1800件の所蔵品は、いずれも自らの感性第一に選ばれましたが、時には専門家の指南で培った鑑賞眼で希少な優品を選び抜き、時には数奇な運命を経た大作を手にすることもありました。
この再開記念展では、清次郎の軌跡をたどり美術館の歴史を振り返るべく、設立の決定打となった《青花龍唐草文天球瓶》《青花双鳳草虫図八角瓶》を含む中国陶磁を中心に、屈指の東洋陶磁を購入年代に基づいてご紹介します。作品と蒐集の歴史から見た名品選をお楽しみください。
第1章:蒐集のはじまり
陶磁器作品の蒐集は、日本陶磁にはじまります。コレクションの端緒である日本画を蒐集し続けていた傍ら、60代にあたる1950年代半ばから国内の美術商で少しずつ購入しました。はじめは茶道をきっかけに関心を抱くも、次第に鑑賞陶器に惹かれていき、約90件の日本陶磁コレクションは17-18世紀の古伊万里が多くを占めています。本章では、清次郎が特に好んだ古九谷様式をはじめ、
ヨーロッパの王侯貴族たちを魅了した柿右衛門様式や古伊万里金襴手、将軍家への献上等を目的につくられた鍋島焼などを出品します。
第2章:開館前夜
国内での蒐集を重ね、経験と鑑識眼を培うと同時に陶磁器に魅了されていった清次郎は、さらなる優品を追い求め1972年(78歳)頃からサザビーズやクリスティーズなどの海外オークションへと赴くようになります。外国人の居留地だった築地・小田原町に生まれ、幼いころから英語に親しみがあったため、言葉の面では不自由しなかったそうです。
そこで、製陶技術や日本文化のルーツを孕む中国陶磁の魅力にまたたく間に引き込まれていくとともに、美術館設立の夢を抱き始めます。
■《青花龍唐草文天球瓶》と《青花双鳳草虫図八角瓶》
1974年(80歳)頃、今までは自分だけが楽しんでいた数々の美術品を多くの人にも楽しんでほしいという思いから、清次郎は美術館設立を志します。
それを実現させたのが、コレクションの”心髄”《青花龍唐草文天球瓶》《青花双鳳草虫図八角瓶》の取得です。いずれもロンドンのオークションに出品されたものですが、
本来これらは別のコレクターの手に渡っていたはずでした。当時の世界情勢が関係し、紆余曲折を経て当館に所蔵された本二作品は、約7年ぶりの同時出陳となります。
第3章:開館と黄金期
《青花龍唐草文天球瓶》《青花双鳳草虫図八角瓶》 を取得した清次郎は、1975年11月新橋の自社ビル内に美術館を設立しました。
開館後、80歳代にあたる1975年から1980年代にかけては「日本にないものを買う」ため、現在 常設展示となっているギリシア・ローマ作品やガンダーラ彫刻を集中的に購入しています。一方で東洋陶磁は、稀有な作例を含む唐三彩をはじめ、
元から明時代の青花磁器や清時代の粉彩などさらなる洗練された優品に、韓国の青花磁器なども蒐集されました。
■第4章:最晩年の蒐集
本章では、清次郎没年の前年にあたる1988年までに蒐集された最晩年の所蔵品をご紹介します。主に元時代の青花磁器や清時代の粉彩のほか、開館当時から入手したいものとして挙げていた《釉裏紅牡丹文大盤》が並びます。このころ、大型彫刻に向いた野外美術館を新たに構想していましたが、翌年の1989年に95年の生涯を閉じました。
霊獣の文様(しるし)
会場:展示室4
会期:2022.08.02 火 ~ 10.23 日
現代には、空想上のいきものたちが様々な場所に息づいています。古代中国を発祥とし、日本でもなじみの深い龍や鳳凰、麒麟、獅子などは、吉祥をもたらす存在として霊獣あるいは瑞獣と呼ばれ、多くの工芸作品にその姿と思想が刻まれてきました。彼らの誕生と幾度もの変遷、現代まで繋がれた生命の源にひそむのは、私たち人間の心ではないでしょうか。
本展では、中国の銅鏡をはじめ、青花や五彩などの陶磁器、玉の作品を通して、霊獣の文様についてご紹介します。霊獣たちが織り成す様々な表情や変遷をたのしみながら、人間のこころのうちにあり続ける思いに触れていただければ幸いです。
「松岡美術館」ホームページ
http://www.matsuoka-museum.jp/
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