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八束はじめの「ル・コルビュジエ」を読んだ!

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八束はじめの「ル・コルビュジエ」(講談社学術文庫:2022年9月8日)を読みました。

 

まいちいさんのブログで紹介していたので、この本を知りました。

新刊 ル・コルビュジェ@八束はじめ


「あなたが何か新しいことを考えたと思っても、
コルブ(=ル・コルビュジエ)は

それをもうやってしまっている」
―イギリスの建築家アリソン・スミッソン(「序章」より)

 

まあ、八束はじめは、たとえて言えば、思想家の柄谷行人かあるいは浅田彰と言ってもいいでしょう。建築家の文章は難解とよく言われますが、八束の文章はそれに輪をかけて難解なことこの上ない。この本は1983年、「20世紀思想家文庫」として岩波書店より刊行されたもの、今から39年も前の本です。言い回しが古いのはやむを得ません。執筆当時は八束は33歳、磯崎新アトリエに勤務していた頃です。コルビュジエが南仏のカップ・マルタンの海で水浴中に亡くなったのが1965年、それから18年後の著作です。

 

この人は、何者なのか?

前衛建築家、画家、彫刻家、思想家――。

多様性に満ちた生涯と作品を、第一人者がたどる!

 

20世紀を代表する、最も有名な前衛建築家、ル・コルビュジエ(1887-1965)。

「すべての建築家にとっての強迫観念(オブセッション)」「近代建築の言語そのもの」。スイスの若き時計工芸家は、なぜこれほどの世界的名声を勝ち得たのか。師との出会いと決別。数多のコンペティション落選やアカデミーとの論争、生涯転身し続けた作風の背景――。建築界の巨匠を”人文主義者”という視点で捉え直し、豊富な図版と共に、その全体像をクリアに描き出す!

 

どんな時代だったのか?

この時代ほど建築言語の変革が急速であったことは、その後も含めて、決してない。後にヒッチコックとシャンソンによってインターナショナル・スタイルとよばれるような言語は、1920年代前半の数年間に、突然飛来してきた異星の宇宙船のランディングのようにしてあらわれた。タトリンの第三インターナショナルのためのモニュメント(20)やメンデルゾーンのアインシュタイン塔(19-21)のような異形のモニュメントを先き触れとして、グロピウスのシカゴ・トリビューン応募案(22)やイエナの劇場(22)、ムッヘによるアム・ホルンの実験住宅(23)、ミースのガラスのスカイスクレーパー(摩天楼)計画(19-21)からコンクリートのオフィス・ビル計画(23)、アウトのアウト・マテネッセの現場小屋(23)ヴェスニン兄弟の労働宮計画(23)、そしてファン=デースブルクとファン=エーステレンの三つのパリ・モデル(23)、リートフェルトのシュレーダー邸(23-24)というような重要な計画がこの時期に集中している。同じ人々の、たとえば5年前の計画と比べてみれば、様相が全く一変していることが明瞭である。ル・コルビュジエもまた、20年のシトロアン住宅のモデルから22年に実現されたヴォークルソンの住宅、23年のラ・ロシュ=ジャンヌレ邸は、それがどのような萌芽を胚胎していたにせよ5年前のシュウウォッブ邸とは一変しているし、スイスの田舎町の野心と才能のみをぎらつかせていた無名の若者は、パリに出て10年を経ずして世界的な前衛建築の旗手となったのである。


目 次
序 章 ル・コルビュジエとは誰か?
第一章 見出されたもの
第二章 「開かれた目」と「ものを見ない目」
第三章 「建築を擁護する」
第四章 「彎曲の法則」
第五章 「直角の詩」
第六章 「開かれた手」
年譜
あとがき
学術文庫版あとがき

 

「ル・コルビュジエ作品集」
第1巻~第8巻

ル・コルビュジエが自ら編集したともいえる

名著「アルテミス版全集」の日本語版

吉阪隆正:全訳

発行:A.D.A.EDITA Tokyo Co.Ltd

八束の元ネタはほとんどここからきています。

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「近代建築のアポリア 転向建築論序説」 

1986年5月10日第1刷 

著者:八束はじめ 

発行所:株式会社PARCO出版局

 

「ル・コルビュジエを見る」

中公新書

2007年8月25日発行

著者:越後島研一

発行所:中央公論新社

 

「ユリイカ 総特集ル・コルビュジエ」

1988年12月25日発行

発行所:青土社

 

「ユリイカ 特集ル・コルビュジエ

生誕120年記念特集」

2007年5月1日発行

発行所:青土社

 

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