Bunkamuraル・シネマで、マチュー・アマルリック監督の「彼女のいない部屋」を観てきました。
KINENOTEの「あらすじ」には、ある女性が家族の元を離れ家出したようであるが……、とだけしか書いてありません。物語の詳細は伏せられています。
チラシには、
現実と想像が入り混じったバラバラのピースが一つにつながる。そのとき浮かび上がる家族の真実。観客は心が動揺するほど感動するだろう。細部までこだわった繊細な構成・編集とベートーヴェンやラモーのピアノ曲やJ.J.ケイルの名曲「チェリー」などの音楽の編集はあまりにも美しい。本作はかつてないモンタージュで人間の感情を表現しきって驚嘆させる。
2021年カンヌ国際映画祭 カンヌ・プレミア 公式作品
フランスの個性的名優、マチュー・アマルリックの監督としての新作
昨年のカンヌ国際映画祭で新設された[カンヌ・プレミア]部門に選ばれ、フランスのアカデミー賞といわれる「セザール賞」では各主要部門にノミネートされた本作。監督は、マチュー・アマルリック。アルノー・デプレシャン、オタール・イオセリアーニ、ウェス・アンダーソン、黒沢清ら名監督作品への出演や『007/慰めの報酬』での強烈な悪役まで俳優として大人気なのはもちろんだが、実は監督としてもトップクラス。本格的な長編監督第一作の『さすらいの女神たち』ではカンヌ映画祭監督賞・国際映画批評家連盟賞を受賞し、2017年の『バルバラ セーヌの黒いバラ』はカンヌ映画祭ある視点部門の開幕作に選ばれた。
物語の詳細を知らないままに見てほしい、誰もみたことのない新たな表現に到達した感動的な傑作
そのアマルリックの「実は最高傑作ではないか?」とフランス国内で絶賛が寄せられているのが、最新作『彼女のいない部屋』である。海外資料にあるストーリーは「家出をした女性の物語、のようだ」という1行のみ。フランス公開時にも、物語の詳細は伏せられ、展開を知らない観客が、ある真実に気づいたときに大きな衝撃で心が動揺するほど感動したという作品だ。
主演はポール・トーマス・アンダーソン監督のアカデミー賞受賞作『ファントム・スレッド』やM・ナイト・シャマラン『オールド』、ミア・ハンセン・ラヴ監督の『ベルイマン島にて』で今最も輝いているヨーロッパ女優と言われるヴィッキー・クリープスがつとめる。
<監督:マチュー・アマルリック>
俳優としての代表作に『そして僕は恋をする』(97)、『キングス&クイーン』(04)、『ミュンヘン』(05)、『潜水服は蝶の夢を見る』(07)、『クリスマス・ストーリー』(08)、『007 慰めの報酬』(08)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)など。監督としては1997年に中長編『スープをお飲み』を発表。『さすらいの女神たち』(10)でカンヌ映画祭監督賞・国際映画批評家連盟賞受賞。『バルバラ セーヌの黒いバラ』(17)はカンヌ映画祭ある視点部門公式出品。本格的長編として本作は4作目となる。
以下、KINENOTEによる
解説:
「さすらいの女神たち」では第63回カンヌ国際映画祭監督賞・国際映画批評家連盟賞に輝くなど監督としても高い評価を得る俳優のマチュー・アマルリックが、現実と想像が入り混じったミステリアスな映像と音響のモンタージュで人間の感情を表現した人間ドラマ。主人公のクラリスを「オールド」のヴィッキー・クリープスが、夫を「Girl/ガール」のアリエ・ワルトアルテが演じている。第74回カンヌ国際映画祭[カンヌ・プレミア]公式作品。
あらすじ:
ある女性が家族の元を離れ家出したようであるが……。
「彼女のいない部屋」公式サイト
映画『彼女のいない部屋』公式サイト (moviola.jp)