東京海上、丸の内の本社を建て替え 高さ100メートルの「木」のビルに
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東京海上ホールディングスは、東京・丸の内にある東京海上日動ビル本館および新館を一体で建て替えて建設する新・本店ビルのデザインを発表した。木の使用量が世界最大規模となる高さ100メートルの「木の本店ビル」として訴求。木材の利用を促進することで、環境重視の姿勢をアピールする。
構造部材である柱、床に国産木材を使用した。木材は、成長の過程でCO2を吸収・貯蔵する機能を持ち、建築時のCO2排出量を3割程度削減するという。 柱、床にふんだんに木材を利用するほか、屋上には緑豊かな庭園を設置する計画だ。庭園とエントランスの中央やビルの周囲には樹木を植え、訪れる人が季節の移ろいや自然のぬくもりを感じられる空間を形作っていく。 10月に解体着工、2024年12月に建築着工し、28年度中の竣工を目指している。
東京海上日動ビル本館が解体、レンゾ・ピアノ氏設計の「新・本店ビル」は28年度竣工
日経クロステック
東京海上ホールディングスと東京海上日動火災保険は2021年9月30日、東京都千代田区丸の内1丁目に立つ現在の東京海上日動ビル本館および新館を一体で建て替える「新・本店ビル計画」のコンセプトをまとめた。新しい建物は丸の内の街並みと調和し、日本の玄関口である東京駅や緑豊かな皇居外苑を結ぶシンボリックな場所にふさわしいデザインを追求する。
建物の設計は、建築家のレンゾ・ピアノ氏が主宰するRenzo Piano Building Workshopおよび三菱地所設計が手掛ける。ピアノ氏は1998年にプリツカー賞を受賞したイタリアの建築家だ。日本では関西国際空港旅客ターミナルビルや銀座メゾンエルメスなどを設計している。三菱地所設計は丸の内エリアで豊富な設計の実績がある。
Renzo Piano Building Workshopと三菱地所設計は、国産木材を多く利用した建物を検討しているという。柱や床などの構造材を含め、これまで例を見ない規模で国産木材を利用。世界最大級の木造ハイブリッド構造による超高層オフィスビルを建設する。
敷地面積は約1万147m2、延べ面積は約12万5000m2。地下3階・地上19階建てで、高さは約100mになる計画だ。22年10月に現在のビルの解体に着工し、28年度の竣工を予定している。
現在の東京海上日動ビル本館は前川國男建築設計事務所が設計した建物で、1974年に竣工した。歴史的価値を後世に伝えるため、有識者の協力を得ながら記録調査と継承方法の検討を同時に進める。そのうえで、災害対応力や環境性能の強化、新しい働き方への対応を念頭に置いて、新館と一体で建て替える。