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栗原康の「アナキスト本をよむ」を読んだ!

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栗原康の「アナキスト本を読みました。というのは、うそです。

 

購入しただけで「積読」状態ではもったいない。とはいえ、この手の本、すべてを読むのはとてもじゃないけど不可能、というほかない。なにしろ、幅が広く、奥が深い。まあ、ほんの数冊ですけど、持ってはいますが、いつ読めるか…。

 

僕が栗原康の本を読むきっかけは、「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」に出会ったことによります。なにしろ題名に驚かされました。なんじゃ、これは!しかも岩波から出てるじゃないですか。どんな人かと思って調べてみると、大杉栄研究もしてるアナキスト研究者ということが分かってきました。テレビの番組で見てみると、なんとまあ、アナキストとは程遠い優男じゃあないですか。いっぺんに好きになりました。一遍上人も研究しているし。先日は「100分deパンデミック」に出てましたね。

 

もう、しかたがありません。

この場は、「もくじ」を書いて、お茶を濁すほかありません。

これがまたすごい。

 

アナキスト本をよむ もくじ

 

はじめに 1

アナーキズム研究の新展開(田中ひかる「ドイツ・アナーキズムの成立」)

あらゆる債務を帳消しに!(ミレー+トゥーサン「世界の貧困をなくすための50の質問」)

怨念の労働(笙野頼子「金毘羅」他)

古くて新しいゼネストという希望(遠野はるひ・金子文夫「トヨタ・イン・フィリピン」)

グリーンキャピタリズム批判に向けて(高祖岩三郎「新しいアナキズムの系譜学」)

 

2011年3月、地震と津波がおきて、原発が爆発した。

反原発という遊び(ジョン・ホロウェイ「革命 資本主義に亀裂をいれる」)

子ども社会主義(「大杉栄自叙伝」)

腹切り念仏論(伊達政保「現在につづく昭和40年代激動文化」)

やりたいことしかもうやらない(鶴見済「脱資本主義宣言」)

あらゆる窃盗は革命的である(アラン・セルジャン「アナーキストの大泥棒」)

みさかいなく跳ねてやる(聖戒編「一遍聖絵」)

やさしくしてください(羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」)

生きることゴキブリの如し(平井玄「ぐにゃり東京」)

革命的赤ちゃん主義(ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」)

汚物上等、くそでもくらえ(足立正生「断食芸人」)

われわれは圧倒的にまちがえる(マウリツィオ・ラッツァラート「記号と機械」)

貧乏人は日本をほろぼす(プレイディみかこ「THIS IS JAPAN」)

マヌケは暗闇である(松本哉「世界マヌケ反乱の手引書」)

仕事は仕事、いつでもやめろ(小川さやか「『その日暮らし』の人類学」)

たいへん、わるのり、騒乱だ(不可視委員会「われわれの友へ」他)

芸術は常軌を逸している(砂古口早苗「裁て、飢えたる者よ」)

 

2017年、元祖アナキスト・一遍上人の伝記を書いた。

国土じゃねえよ、浄土だよ(自著「死してなお踊れ」)

[特別収録:安藤礼二氏との対談]いくぜ極楽、なんどでも―日本のアナキズムの原点・一遍

倫理じゃねえよ、不倫だよ(原口剛「叫びの都市」)

人民の犯罪を煽動せよ(ピヨトール・アルシノフ「マフノ運動史1918-1921」) 

精神のあき地をとりもどせ(森まゆみ「暗い時代の人々」)

あなたの人生、パンクさせます(プレイディみかこ「花の命はノー・フューチャーDELUXE EDITION」)

ハラハラしようぜ(松下竜一「狼煙を見よ」)

仏は無職だ、このやろう(丹野未雪「あたらしい無職」他)

オラ、投石がしてえ(長嶋有「もう生まれたくない」)

セミ一匹、うたえばババア(藤城かおる「唖蝉坊伝」)

ろくなもんじゃねえ!(植木等「夢を食いつづけた男」)

あらゆるセックスはぜったいにただしい(本田由紀・伊藤公雄編著「国家がなぜ家族に干渉するのか」)

天皇制に鼻血ブー(「磔刑の彼方へ 小田原紀雄社会活動全記録」)

[特別収録:守中高明氏との対談]他力の思想を生きる―無償の救いをブン投げよう

いい感じ!(高見順「いやな感じ」)

神話じゃねえよ、民話だよ(井波律子「水滸伝」)

奴隷のあばれ方(マルクス・シドニウス・ファルクス「奴隷のしつけ方」)

 

2020年春、コロナで支配がつよまった。

万国の子どもたちよ、駄々をこねろ(江口幹「渇きのままに」)

紙は死んだ(瀬戸内寂聴「遠い声 菅野須賀子」)

くそったれの人生、スパークジョイ!(プレイディみかこ「ワイルドサイドをほっつき歩け」)

アナルコ・ニヒリズム宣言!(マニュエル・ヤン「黙示のエチュード」他)

怨、怨、怨、されど怨(森元斎「国道3号線」)

暴動はケアだよ、Be WATER!(藤野裕子「民衆暴力」)

燃やし燃やされ、焼き焼かれ(中里介山「大菩薩峠」)

キツネがくる(デヴィッド・グレーバー「ブルシット・ジョブ」)

物語に鉄砲をぶっぱなせ(早助よう子「恋する少年十字軍」)

 

人名・作品名索引

 

NHK「100分deパンデミック」出演時
 

栗原康: 

1979年埼玉県生まれ。政治学者、作家、大学非常勤講師(東北芸術工科大学ほか)。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学、専門はアナキズム研究。2017年、第10回「池田昌子記念 わたくし、つまりNobody賞」受賞。

単著:「G8サミット体制とはなにか」(以文社 2008、増補2016)、「大杉栄伝―永遠のアナキズム」(夜光社 2013、第5回いける本大賞)、「はたらかないで、たらふく食べたい―『生の負債』からの解放宣言」(タバブックス 2015)、「現代暴力論―『あばれる力』を取り戻す」(角川新書 2015)、「村に白痴になれ―伊藤野枝伝」(岩波書店 2016、岩浪現代文庫 2020)、「死してなお踊れ―一遍上人伝」(河出書房新社 2017、河出文庫 2019)、「アナキズム―一丸となってバラバラに生きろ」(岩波新書 2018)、「執念深い貧乏性」(文藝春秋 2019)、「奨学金なんかこわくない!―『学生に賃金を』完全版」(新評論 2020)など。

監修・編著:「日本のテロ―爆弾の時代60S-70S」(河出書房新社 2017)。「狂い咲け、フリーダム―アナーキズム・アンソロジー」(ちくま文庫 2018)など。

共著:「経済的徴兵制をぶっ潰せ!―戦争と学生」(岩波ブックレット 2017)。「菊とギロチン―やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ」(原作:瀬々敬久・相澤虎之助、タバブックス 2018)。「文明の恐怖に直面したら読む本」(白石嘉治との対談、Pヴァイン 2018)。「半島論―文学とアートによる叛乱の地勢学」(響文社 2018)。「平成遺産」(淡交社 2019)など。

近年ははたらきすぎだが、座右の銘は「はたらかない、でたらふく食べたい」。大好物はビール、ドラマ鑑賞、詩吟、河内音頭、長淵剛。

 

過去の関連記事:

買ってはありますが、積読状態の本が数冊あります。

栗原康の「サボる哲学 労働の未来から逃散せよ」を読んだ!

栗原康の「執念深い貧乏性」を読んだ!

栗原康の「大杉栄伝 永遠のアナキズム」を読んだ!

栗原康の「死してなお踊れ 一遍上人伝」を読んだ!

栗原康の「アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ」を読んだ!

栗原康著「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」を読んだ!

テアトル新宿で、瀬々敬久監督の「菊とギロチン」を観た!


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