鏑木清方(1878-1972)の代表作として知られ、長きにわたり所在不明だった《築地明石町》(1927年)と、合わせて三部作となる《新富町》《浜町河岸》(どちらも1930年)は、2018年に再発見され、翌年に当館のコレクションに加わりました。この三部作をはじめとする109件の日本画作品で構成する清方の大規模な回顧展です。
浮世絵系の挿絵画家からスタートした清方は、その出自を常に意識しながら、晩年に至るまで、庶民の暮らしや文学、芸能のなかに作品の主題を求め続けました。本展覧会では、そうした清方の関心の「変わらなさ」に注目し、いくつかのテーマに分けて作品を並列的に紹介してゆきます。関東大震災と太平洋戦争を経て、人々の生活も心情も変わっていくなか、あえて不変を貫いた清方の信念と作品は、震災を経験しコロナ禍にあえぐいまの私たちに強く響くことでしょう。
展覧会の構成は、以下の通りです。
第1章 生活をえがく
特集1 東京
第2章 物語をえがく
特集2 歌舞伎
第3章 小さくえがく
第1章 生活をえがく
特集1 東京
第2章 物語をえがく
特集2 歌舞伎
第3章 小さくえがく
「清方ノスタルジア 名品でたどる鏑木清方の世界
2009年11月18日発行
編集・発行:サントリー美術館
「美人画の系譜―鏑木清方と東西の名作百選」
福富太郎コレクション
発行:株式会社アートワン
朝日新聞:2022年4月5日
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