祝田秀全の「建築から世界史を読む方法」(KAWADE夢新書:2022年2月28日初版発行)を読みました。
ギリシャ、ロマネスク、ゴシックなど建築様式の変遷と世界史は連動している。著名な建築物が「なぜそこに」「なぜその意匠で」造られたのかを追究すると、歴史の意外な事実が見えてくる!
世界を「空間」や「時間」という
モノサシで捉え直すとき
建築は、歴史の
生き証人となる!
・ギリシャ建築、ローマ建築が
時代の要所で”復活”する理由とは
・ロマネスク建築から
ゴシック建築へと潮流が移ったわけ
・ペストが生んだルネサンスと
サンタ・マリア大聖堂
・ ヴェルサイユ宮殿には
仏独の過酷な歴史が刻まれていた
・国家からの自由を求めて誕生した
モダニズム建築
・「寅さん」映画の舞台は
なぜ柴又帝釈天なのか
各建築に見る様式とその変遷
(口絵の一部)
目次
建築は、歴史に「空間」「時間」という視点を与える―はじめに
帝国の建築は誰のものか―古代の章
1―歴史に誘導されたパルテノン神殿
2―「神のため」から「王権の演出装置」へ
3―ローマ帝国が「建築」を発明した
4―「建築」を発展させたキリスト教
エヴァンゲリオンvs進撃の巨人―中世の章
1―エヴァンゲリオンを体感させるアーチの力
2―東西世界に広がったアーチの文明
3―ロマネスク建築は修道院運動から広がった
4―巨人が進撃するゴシックの時代へ
神と張り合う、王たちの宮殿―近世の章
1―古典主義という新しい建築の創造
2―宗教改革が生んだ「歪み」=バロックの造形美
3―バロックもロココも、君主の強さを誇示する
4―18世紀の大西洋革命から生まれた建築
建築という文明が地球を守るとき―近現代の章
1―建築はリバイバルが花盛り
2―リバイバルは郷愁でない。自己主張である
3―挑戦する建築家は、モダニズムに向かう
4―モダニズムからインターナショナル・スタイルへ
祝田秀全:
東京都出身。歴史学・国際関係論専攻。本郷高等学校講師、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員を経て、聖心女子大学文学部歴史社会学科兼任講師となる。主な著書に「東大生が身につけ刊ている教養としての世界史」「ワケあって滅亡した帝国・王国」(以上小社刊)、「銀の世界史」「近代建築で読み解く日本」「世界でいちばん素敵なルネサンスの教室」など。趣味は古典落語鑑賞、戦後高度経済成長時代のヴォーグ研究。ライカ小僧でもある。