伊藤比呂美の「女の一生」(岩波新書:2014年9月26日第1刷発行、2018年4月26日第4刷発行)を読みました。
テレビのチャンネルをいじっていたら、NHK地上デジタルで「理想の本棚 君だけのブックガイド」という番組が目に止まりました。(2月21日(月),10時50分)。取り上げられていたのがこの本、伊藤比呂美の岩波新書「女の一生」でした。この本を読むのはもっと後だと思っていましたが、NHKで取り上げられていたので、さっそく読んでみました。
本の内容は、と言うと、
「月経とは?」「摂食障害について教えてください」「セックスが苦痛です」「むなしくてたまりません」「子どもがひきこもっています」「別れたい」「恋をしました」「一人で死ぬのが怖い」…….年を経ても尽きない女の悩み.いくつもの修羅を引き受け,ひたすら生き抜いてきた著者が,親身に本音で語りかける人生の極意
)とは.
「あとがき」には、以下のようにあります。
「女に一生」なら、わたしにはちっとも目新しくないのです。考えれば、人生の局面局面で、つねにそれを書いてきたと言っていい。女に一生がテーマの人生だったと言ってもいい。だからこそ諸問題を真摯に考えつめていくと、所々で、昔書いたあの表現しかないと思うことがあり、読み返すと、やっぱりそれしかない。我ながらよくブレずに生きてきたものです。
目次
まえがき
おさない女
女の装い/親とは/母と娘/父と娘/誇りに思う/一人っ子/ケンカ/漫画
自分に向き合う若い女
女の装い/母と娘/月経と女/片思い/ダイエット/足が太い/体臭/性教育/ペニスとヴァギナ/自分/思春期/群れる/仲間はずれ/成熟/子どもを見つめる
たたかう女①|性と女
女の装い/母と娘/月経と女/セックスと女/処女・初体験/恋愛/コンドーム/自傷行為/摂食障害/遠距離恋愛/未練/嫉妬/一対一/売春/LGBT/執着する/不倫と女/マスターベーション/痴漢/娘の恋路
たたかう女②|社会と女
女の装い/地声/母と娘/妻と夫/主婦/仕事と女/泣く女/働く女/女の利用法/職場と女/近所の目/うつ/うつの友人/女友達/結婚退職/世間体/夫の転職
たたかう女③|生殖と女
女の装い/母と娘/胎児はうんこ/妊娠/妊娠中絶/分娩/乳をやる/育児/離乳食/内診/出生前診断/働く妊婦/子連れ/不妊治療/虐待/三歳児神話/猫/周囲の目
たたかう女④|家族と女
女の装い/母と娘/結婚/同居・同棲・内縁・事実婚/妻と夫/離婚/子どものいる離婚/再婚/セックスと女/家事/結婚式/良妻とか賢母とか/浮気と不倫/問答無用の離婚/マザコン/嫁と姑/実家と生家/お墓/夫の尻ぬぐい/父親の死/婚外の関係/女友達/嫉妬の相手/男友達/親の気がかり
自分に向き合う若くない女
女の装い/美容院/母と娘/妻と夫/妻の自立と夫の自立/女友達/セックスと女/漢(おんな)/更年期障害/年を取る/無常/中年危機/心身の不調/運動/子離れ/引きこもりの子/夢中/孫/閉経/不倫
老いる女
女の装い/死に方/母の頭/生き方の違い/ヘルパーさん/妻と夫/離婚/捨てられない/ペットロス/女友達/宗教/夜の孤独/気むずかしさ/認知症の親/認知症の恐怖/排泄/デイケア/母と娘
或女の一生
あとがき
伊藤比呂美 :
1955年東京都生まれ.詩人.
1978年現代詩手帖賞を受賞し,新しい詩の書き手として注目される.第一詩集『草木の空』(アトリエ出版企画)以後,『青梅』,『テリトリー論』1・2,『伊藤比呂美詩集』などの詩集を発表,『河原荒草』(以上,思潮社)で2006年高見順賞,『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(講談社)で2007年萩原朔太郎賞,2008年紫式部文学賞を受賞する.1997年に渡米後,カリフォルニア州と熊本を拠点として活躍.
他に『良いおっぱい悪いおっぱい完全版』(中公文庫),『読み解き「般若心経」』(朝日新聞出版),『閉経記』(中央公論新社),『犬心』(文藝春秋),『父の生きる』(光文社),『木霊草霊』(岩波書店)など著書多数.
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