高橋源一郎の「『ことば』に殺される前に」(河出新書:2021年5月30日初版発行)を読みました。
「午前0時の小説ラジオ」は、ツイッターで投稿されたもので、1回の投稿の文字数が限られています。「午前0時の…」だけで、この本の全体の3/4の分量です。「メイキングオブ悪と戦う」が、13話続きます。
「悪と戦う」、読んでました。
「祝の島」の監督、纐纈あやさんの話を聞いてました。
祝島は「反原発運動」の聖地にもなっています。
否定の「ことば」に分断された日本へ贈る緊急出版! あの即興連続思考ツイート「午前0時の小説ラジオ」が待望の書籍化。書下ろしに加え、朝日新聞不定期連載「歩きながら、考える」収録。
否定の「ことば」に感染し、「分断」された日本社会へ贈る緊急出版!
前代未聞の即興連続ツイート「午前0時の小説ラジオ」が待望の書籍化。
書き下ろし「『ことば』に殺される前に」に加えて、朝日新聞「歩きながら、考える」、
さらに「『文藝評論家』小川榮太郎氏の全著作を読んでおれは泣いた」を収録。
個人の問題から社会の問題まで――見えない線に引き裂かれたこの世界の〈つながり〉を回復し、
公共性を取り戻すためにタカハシさんが放流する、唯一無二のメッセージ。
* * * * * * * * * * * *
「かつて、ツイッターは、中世のアジール(聖域)のように、特別な場所、自由な雰囲気が感じられる場所であるように思えた。共同体の規則から離れて、人びとが自由に呼吸できる空間だと思えた。だが、いつの間にか、そこには、現実の社会がそのまま持ちこまれて、とりわけ、現実の社会が抱えている否定的な成分がたっぷりと注ぎこまれるような場所になっていた。(中略)「ことば」は人を殺すことができる。だが、そんな「ことば」と戦うことができるのは、やはり「ことば」だけなのだ。」(本文より抜粋)
目 次
「ことば」に殺される前に
歩きながら、考える
・その人
・8月6日の朝に
・降り注ぐ「ことば」
・ニッポンの原爆
・「正しい」考え
・「壁」の向こうから
・「隣の国のことばですもの」
・オリンピックと学徒出陣
「文藝評論家」小川榮太郎氏の全著作を読んでおれは泣いた
午前0時の小説ラジオ
・メイキングオブ『「悪」と戦う』
・わからなくっても大丈夫
・昭和以降に恋愛はない
・楽しい政治
・学生たちに教わる、子どもたちに育てられる、自分の作品の読者になる
・門外漢の言
・メメント・モリ
・戦争と正義と愛国
・A・Tさんへの私信
・「東京都青少年の健全な育成に関する条例」なんかで青少年が健全に育成できると思ってんのかよ
・愚行について
・国旗と国歌
・入試カンニング問題と大学
・「祝辞」――「正しさ」について
・おれは、がんばらない
・公的と私的
・ぼくたちの間を分かつ分断線
・祝島で考えたこと
・世界一素敵な学校
おわりに
高橋源一郎:
1951年生まれ。81年、『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞長篇小説賞を受賞しデビュー。三島賞、伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞他各賞を受賞。近著に『一億三千万人のための『論語』教室』他多数。
過去の関連記事:
高橋源一郎×斎藤美奈子の「この30年の小説、ぜんぶ」を読んだ!
高橋源一郎の「ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ」を読んだ!
高橋源一郎の「性交と恋愛にまつわるいくつかの物語」を読んだ!
二度結婚し、二度離婚した。