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大田記念美術館で「江戸の恋」を観た。

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「江戸の恋」チラシ

 

「太田記念美術館」外観

 

大田記念美術館で「江戸の恋」を観てきました。

副題には「純愛、悲恋、危険な恋―江戸の恋バナ集めました」とあります。

 

「つれびき」について

カキツバタの咲く水辺で、身を寄せ合い一棹の三味線を引く若い男女。仲睦まじい様子が伝わってきますが、実は本作は、玄宗皇帝と楊貴妃の見立てとなっています。江戸時代、一本の横笛をともに吹く「並笛図」が2人の愛情の深さを示す画題として知られており、本作はこれをふまえて描かれました。春信の描く華奢で繊細な男女に重ねられた、玄宗皇帝と楊貴妃の古典世界。現実離れした恋人たちの姿には幻想的な雰囲気が漂います。

本作は、たおやかな人物像で一世を風靡した鈴木春信の優品の一つです。

 

鈴木春信「つれびき」明和4年(1767)頃
 

鈴木春信「浮世(美人)寄花 路考娘」
明和5-6年(1768-69)頃

 

勝川春章「桜下詠歌の図」天明(1781-89)頃

 

鈴木春信「男女図 (桜)」明和5-7年(1781-89)頃
 

歌川豊国「両国花火之図」文化10-11年(1813-14)頃
 

歌川国貞(三代目豊国)
「江戸名所百人美女 新大はし」
安政5年(1858)2月

 

喜多川歌麿
「青楼十二時 続 戌の刻」
寛政6年(1794)頃

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歌川広重
「小倉擬百人一首 前大僧正行尊 久我之助」
天保14-弘化3年(1843-46)頃

 

歌川国貞
「見立三十六句選 八百屋於七」
安政3年(1856)11月

 

喜多川歌麿
「風流愛興競 おさん 茂兵衛」
寛政後期-享和(1797-1804)頃

 

歌川国貞「東都贔屓競 清玄 櫻姫 二
小団次 菊五郎」安政5年(1858)4月
 

歌川広重
「小倉擬百人一首 右京太夫道雅 小まん」
天保14-弘化3年(1843-46)

 

月岡芳年
「つき百姿 垣間見の月 かほよ」
明治19年(1886)9月」
 

葛飾北斎「仮名手本忠臣蔵 初段」
文化3年(1806)4月

 

月岡芳年
「月百姿 月のものくるひ 文ひろけ」
明治22年(1892)

 

月岡芳年
「つき百姿 やすらはで寝なましものを
小夜ふけて かたぶく迄の月を見しかな」
明治18年-25年(1885-92)頃

 

月岡芳年
「月百姿 はかなしや波の下にも
入ぬべしつきの都の人や見るとて 有子」
明治19年(1886)9月

 

純愛、悲恋、不倫まで――江戸の恋バナ集めました

浮世絵にはあらゆる恋の形を見ることができます。鈴木春信や喜多川歌麿ら一流絵師が描く、見る者をうっとりさせるような美男美女の恋。さらには、心中や不義密通、恋の末の殺人など、実際の衝撃的な事件を脚色した歌舞伎や浄瑠璃の愛憎劇も、浮世絵の格好の題材となっています。ドラマチックで時にドロドロした恋愛譚も、江戸の人々を惹きつけてやまなかったのです。

現代でも小説やマンガであらゆる恋が繰り広げられ、時代を象徴する恋愛ドラマも度々生まれています。恋という普遍的なテーマを通して浮世絵をご紹介する本展では、甘美な愛の語らいに心ときめかせ、危険な恋の行く末をハラハラと見守る、そんな恋愛物語を楽しむ醍醐味を味わっていただけることでしょう。そして浮世絵に描かれた恋を通して、一途な思いや嫉妬、さまざまな感情を抱いて生きた江戸の人々のリアルな姿にもぜひ触れてみてください。

 

大田記念美術館ホームページ

太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art (ukiyoe-ota-muse.jp)

 

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朝日新聞:2022年1月18日

 


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