Quantcast
Channel: とんとん・にっき
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2506

サントリー美術館で「聖徳太子 日出づる処の天使」を観た

$
0
0

「聖徳太子 日出づる処の天使」チラシ

 

「聖徳太子 日出づる処の天使」案内板

 

サントリー美術館で「聖徳太子 日出づる処の天使」(後期)を観てきました。

 

卑近な例ですが、聖徳太子、と言えば、お札の肖像画ですね。百円券、1000円券、5000円券、10000円券など、やはり展示してありましたよ。

 

サントリー美術館 開館60周年記念展

千四百年御聖忌記念特別展
「聖徳太子 日出づる処の天子」

2021年11月17日(水)~2022年1月10日(月・祝)

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章:聖徳太子の生涯 ― 太子の面影を追って

第2章:聖徳太子信仰の広がり ― 宗派を超えて崇敬される太子

第3章:大阪・四天王寺の1400年 ― 太子が建立した大寺のあゆみ

第4章:近代以降の聖徳太子のイメージ…そして未来へ ― つながる祈り

 

 

第1章:聖徳太子の生涯 ― 太子の面影を追って

聖徳太子は推古天皇の摂政として、冠位十二階の制定や、十七条憲法の発布、「日出づる処の天子」と記した国書を携えたとされる遣隋使の派遣などを推進し、国家の礎を築いたことで知られます。一方で、仏教排斥派である物部守屋(もののべのもりや)との戦いに勝利し、仏教を広めたことから、日本仏教の祖としても篤く信奉される歴史上類まれな人物です。

太子により創建された大阪・四天王寺において、奈良時代(8世紀)にその生涯を絵画化した「聖徳太子絵伝」が創始されると、以降、太子信仰の広まりとともバリエーションに富む太子絵伝が作られ、その遺徳が顕彰されてきました。

本章では、太子絵伝とあわせて、太子が所持したと伝わる飛鳥時代の品々や、その事績を物語る作品をご紹介し、太子の足跡をたどります。

 

遠江法橋筆、重文「聖徳太子絵伝」鎌倉時代、元享3年(1323)

 

「聖徳太子絵伝 巻上第17段(部分)」江戸時代、18世紀

 

国宝「七星剣」飛鳥時代、7世紀

 

第2章:聖徳太子信仰の広がり ― 宗派を超えて崇敬される太子

聖徳太子は日本に仏教を広めた人物として、没後まもなく信仰の対象となります。さらに太子は、中国天台の高僧・南岳大師慧思(なんがくだいしえし)の生まれ変わり、あるいは観音の化身とも見なされ、最澄や親鸞、一遍といった各宗派の祖師をはじめ、身分・男女を問わず多くの人々から崇敬されます。なかでも親鸞は、太子を「和国の教主」すなわち日本の釈迦と讃仰(さんぎょう)しました。

こうした太子信仰を背景に、幼い太子の二歳像(南無仏太子像/なむぶつたいしぞう)や父・用明天皇の病気平癒を祈る童子像(孝養像/きょうようぞう)、そして成人後この国の政治と仏教の興隆に尽力する姿(摂政像・講讃像/こうさんぞう)など、さまざまな絵画・彫刻作品が生み出されていきます。

本章では、多種多様な太子像の全貌と、諸宗派における太子信仰の広がりを示す作品をご紹介します。

 

「聖徳太子二歳像(南無仏太子像)」
鎌倉時代、13~14世紀

 

「聖徳太子童形立像(植髪太子)」鎌倉時代、14世紀
および重文「髹漆厨子」室町時代、永享8年(1436)

 

重文「聖徳太子童形立像(孝養像)」
鎌倉時代、14世紀

 

「聖徳太子童形像・六臣像」桃山時代、16世紀

 

第3章:大阪・四天王寺の1400年 ― 太子が建立した大寺のあゆみ

大阪・四天王寺は、推古天皇元年(593)に聖徳太子が建立した日本最古の官寺です。仏教排斥派・物部守屋との戦いの際、太子自ら四天王像を彫り、もし戦勝の祈りが叶えば四天王のために寺を建立すると誓いを立てたことに始まります。

寛弘4年(1007)に、太子真筆と伝える「四天王寺縁起(根本本)」が寺内で発見されると、太子信仰を核に、観音信仰や浄土信仰そして未来記など、さまざまな信仰を包摂して繁栄する大きな契機となり、「太子の霊場」としての地位をより強固なものとしました。

四天王寺は、長い歴史のなかで戦禍や災害により何度も伽藍が失われましたが、人々の絶えることない太子への篤い信仰に支えられ、その都度再興を果たしています。

本章では、四天王寺の1400年をその名宝とともにご紹介します。

 

国宝「四天王寺縁起(後醍醐天皇哀翰本)」部分
南北朝時代、建武2年(1335)

 

「四天王立像」平安~鎌倉時代、12世紀

 

第4章:近代以降の聖徳太子のイメージ…そして未来へ ― つながる祈り

日本仏教の祖として崇められてきた聖徳太子ですが、明治時代になると国家の礎を築いた政治家としての側面がクローズアップされます。昭和に入り、偉大な功績を残し国民から敬愛される人物としてお札の顔に採用されると、以来太子は、7種もの紙幣に最多登場しています。笏を執るその姿は、現代における聖徳太子のイメージを決定づけたといえるでしょう。さらに、太子を主人公とするマンガ・山岸凉子作「日出処の天子」も人気を博し、より身近な存在となりました。

その一方、令和3年(2021)、四天王寺では100年に一度の御聖忌(ごせいき[注])に向け、新たに「聖徳太子童形半跏像」を造立しました。礼拝の対象としての太子の造形は今も生み出され続け、太子への祈りは、過去から現在、そして未来へと継承されていきます。

本章では、近代以降における太子のイメージをたどるとともに、脈々と歴史を重ねる四天王寺聖霊会(しょうりょうえ)の舞楽所用具など、現在の太子信仰ゆかりの作品をご紹介します。

[注]大阪・四天王寺では「遠忌」を「聖忌」と称します。

 

堂本印象筆「聖徳太子像・二王子像(模写)」
大正~昭和時代、20世紀

 

堂本印象筆「旧最高裁判所大法廷壁画 小下絵」
昭和26年(1951)

 

松久宗琳佛所作「聖徳太子童形半跏像」
令和3年(2021)

 

「聖徳太子 日出づる処の天使」

令和3年(2021)は聖徳太子(574~622)の1400年遠忌にあたり、太子ゆかりの寺院では、周年を迎える令和4年にかけて盛大な法会や記念事業が営まれています。
用明天皇の皇子として生まれた聖徳太子は、推古天皇の摂政を務め、十七条憲法の制定や遣隋使の派遣など国家の礎を築いたことで有名な人物です。さらに、大阪・四天王寺や奈良・法隆寺の創建に代表されるように、仏教を深く修め、その興隆に尽くしました。太子は、「日本仏教の祖」として没後まもなく信仰の対象となり、天台宗開祖・最澄や浄土真宗開祖・親鸞、時宗開祖・一遍などの名だたる高僧や、貴賤を問わず多くの人々からの尊崇を集めてきました。
本展覧会では、太子信仰の中核を担ってきた四天王寺の寺宝を中心に、信仰の高まりとともに各地で造られたさまざまな太子像やゆかりの品々をご紹介します。太子の生涯をたどりながら、1400年の時を経て、今なお人々に親しまれる太子信仰の世界を紐解きます。


<関連動画>
展覧会動画
https://www.youtube.com/watch?v=Rh8GtoEfGR8

「聖徳太子絵伝」で読み解く太子の生涯
https://www.youtube.com/watch?v=PhMQSnSK0WA

 

「サントリー美術館」ホームページ

サントリー美術館 (suntory.co.jp)

 

「聖徳太子絵伝」で読み解く太子の生涯

【「聖徳太子絵伝」で読み解く太子の生涯】 サントリー美術館 開館60周年記念展 「千四百年御聖忌記念特別展 聖徳太子 日出づる処の天子」 3分56秒 - YouTube

 

東京ミッドタウン 恒例サンタクロース・ツリー

 

吹抜け部の飾りつけリボン

 

過去の関連記事:

サントリー美術館で「ざわつく日本美術」を観た!

サントリー美術館で「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」を観た!その2

サントリー美術館で「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」を観た!その1

サントリー美術館で「美を結ぶ。ひらく。美の交流が生んだ6つの物語」を観た!その2

サントリー美術館で「美を結ぶ。ひらく。美の交流が生んだ6つの物語」を観た!その1

サントリー美術館で「日本美術の裏の裏」を観た!

サントリー美術館で「ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」を観た!

サントリー美術館で「遊びの流儀 遊楽図の系譜」を観た!

サントリー美術館で「河鍋暁斎その手に描けぬものなし」(後期)を観た!

サントリー美術館で「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」(前期)を観た!

サントリー美術館で「琉球 美の宝庫」を観た!

サントリー美術館で「天下を治めた絵師 狩野元信」を観た!

サントリー美術館で「サントリー美術館新収蔵品 コレクターの眼」を観た!

サントリー美術館で「世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画」を観た!

サントリー美術館で「鈴木其一 江戸琳派の旗手」(後期)を観た!

サントリー美術館で「鈴木其一 江戸琳派の旗手」を観た!

サントリー美術館で「国宝 曜変天目茶碗と日本の美」を観た!

サントリー美術館で「天才陶工 仁阿弥道八」を観た!
サントリー美術館で「谷文晁」展を観た!
サントリー美術館で「毛利家の至宝 大名文化の精粋」を観た!
サントリー美術館で「悠久の光彩 東洋陶磁の美」展を観た!
サントリー美術館で「その名は蔦屋重三郎(後期)」展を観た!
サントリー美術館で「その名は蔦屋重三郎(前期)」展を観た!
サントリー美術館で「美しの和紙」展を観た!
サントリー美術館で「美しきアジアの玉手箱 シアトル美術館蔵 日本・東洋美術名品展」を観た!
サントリー美術館で「国宝 三井寺展」を観た!
「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡/魂のポートレート」展を観た!
六本木ムーラン・ルージュ「ロートレック展」を観た!
サントリー美術館「開館記念展Ⅱ・水と生きる」展を観る!
ありがとう赤坂見附・サントリー美術館名品展

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2506

Trending Articles