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山極寿一×小川洋子の「ゴリラの森、言葉の海」を読んだ!

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山極寿一×小川洋子の「ゴリラの森、言葉の海」(新潮文庫:令和3年11月1日発行)を読みました。一気読みですよ、一気読み!

 

野生の思考と小説家の言葉が響き合い、ゴリラとヒトが紡ぐ物語が、鮮やかに浮かび上がる。

 

野生のゴリラを知ることは、ヒトが何者か、自らを知ること――アフリカの熱帯雨林でゴリラと暮らした霊長類学者と、その言葉なき世界の気配を感じ取ろうとする小説家。京都大学の山極研究室で、野生のサルやシカが生息する屋久島の原生林の中で、現代に生きるヒトの本性をめぐり、二人の深い対話は続けられた。知のジャングルで、ゴリラから人間の姿がいきいきと浮かび上がる稀有な一冊。

    目次

    はじめに――小川洋子

    I ゴリラとヒトが分かち合う物語

    河合隼雄先生が導いた「偶然」
    二十六年ぶりに蘇った記憶
    ゴリラも孤独をかみしめる
    ゴリラの共感能力
    高い社会性を有するゴリラたち
    人間のオスはなぜハゲる
    ゴリラと人間の文化的相似性
    人間の言葉の起源を探る
    言葉によらない共感を描く

    II ゴリラの背中で語り合う

    家族愛に必要なもの
    人間は本来多産な種
    思春期から現れる男女の違い
    なぜゴリラは子を殺すのか
    人間の暴力性の根源
    言語・死者・共感から戦争が生まれた
    敗者として進化した人類
    子育てからコミュニケーションへ

    III ゴリラとヒトの間で遊ぶ

    ゴリラの同性愛を発見
    遊びと性衝動
    信頼関係を作る方法
    時間が作り出すもの
    父親の役割
    愛という不思議な心
    殺しの闇とは何か

    IV 屋久島の原生林へ

    [一日目]

    アコウの木
    森に分け入る
    ガジュマルの樹の下で
    衣食住の「衣」を考える
    森の中の道
    私が小説を書くときは……

    [二日目]

    屋久島高地の森で

    おわりに――山極寿一

     

     

    山極寿一:
    1952(昭和27)年、東京都生れ。霊長類学者、ゴリラ研究の第一人者。京都大学理学部卒、同大学院で博士号取得。京都大学霊長類研究所などを経て同大学教授、京都大学総長。2021(令和3)年より総合地球環境学研究所所長。著書に『父という余分なもの―サルに探る文明の起源―』『虫とゴリラ』(養老孟司と共著)ほか多数。河合隼雄学芸賞選考委員。

     


    小川洋子:
    1962(昭和37)年、岡山県生れ。小説家。早稲田大学第一文学部卒。1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。『博士の愛した数式』(読売文学賞、本屋大賞)、『薬指の標本』『いつも彼らはどこかに』『生きるとは、自分の物語をつくること』(河合隼雄との対話)はじめ多くの小説・エッセイがあり、海外にも愛読者を持つ。芥川賞選考委員、河合隼雄物語賞選考委員など。

     

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