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伊藤比呂美の「たそがれてゆく子さん」を読んだ!

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伊藤比呂美の「たそがれてゆく子さん」(中央公論新社:2018年8月25日初版発行)を読みました。

 

伊藤比呂美の本、ついつい何冊も買ってしまって、読むのは月一くらいに押さえないと大変なことになると思っているのですが、手元にあるとつい読んでしまい、完全な中毒症状を呈しています。これはやばいよ、押さえて、押さえてと自分に言い聞かせていますが・・・。まあ、この程度の中毒は無害なうちでしょう。

 

本の帯には、以下のようにあります。

 

女のための戦記「閉経記」から5年

さんざん悩み書くことで生き抜いてきた詩人の眼前に

今、広がる光景は。

ズンバはどうした?夫はどうした?

ご無沙汰していた間、ずんずん老いてしまいました。

 

肩、膝、腰は凍りつき、なくす探すをくり返す。

もんもんと考え、るると書く。

犬どもを従えて荒れ地を歩く。

料理なんかする気もなかった。

卵ばっかり食べていた。

男が一人、老いて死んでいくのを看取るのは、

ほんとうによかった。

 

目次

名にも残さず死んでみたい

野ざらしを心に今日も枯野ゆき

凍りつく肩に膝、腰も頭も

いつもポケットにうんこ袋

やり直すったって

あれからぼくたちは

年取ったおばあさんがものすごく年取ったお爺さんを

野沢那智だった

夫、マジでやばい

夫、さらにやばい、そして熊本も

うちにつれて帰る

最後

死んでしまえと何度

これでも生きられるというところへ

書いてすっきり

こぶとりが、かちかち山で何を着るか

ハンニバルと夫

はじめての二世帯住宅

はじめてのフェイシャル、そしてマッサージ

ケネス・ブラナーが怒鳴る。夫も怒鳴る

われも人も

少し年上の女たちへ

なまはげの声を心に行く手かな

リアル

捨てたい

子どもへの手紙

トランプ

不眠

ばば、のる、くるま

クレイマー、クレイマー

毒親

すてきなラマーズ法

命日

貧困の予感

植物の殉死

想い出のローストチキン

料理、言い残す

セックス考

よなよなツイスト

あんこもやめられません

過去の清算

戸籍の不思議

帰ろうかと

究めの修験道

なくす探す

内向的な人々

犬の輸入

毛抜き

名残惜しい

人生相談の回答

石牟礼道子さん

トメの結婚

チャパラル

夏のおわり。秋のはじめ。

  あとがき

 


伊藤比呂美:
1955年、東京都生まれ。詩人。78年に現代詩手帖賞を受賞してデビュー。80年代の女性詩人ブームをリードし、『良いおっぱい悪いおっぱい』にはじまる一連のシリーズで「育児エッセイ」という分野を開拓。「女の生」に寄り添い、独自の文学に昇華する創作姿勢が共感を呼び、人生相談の回答者としても長年の支持を得る。米国・カリフォルニアと熊本を往復しながら活動を続け、介護や老い、死を見つめた『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(萩原朔太郎賞、紫式部文学賞受賞)などを刊行。2018年より熊本に拠点を移し、早稲田大学教授を務める。

 

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