Quantcast
Channel: とんとん・にっき
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2506

100分de名著「ヘミングウェイスペシャル 老人と海 敗れざる者 移動祝祭日」!

$
0
0

 

100分de名著「ヘミングウェイスペシャル 老人と海 敗れざる者 移動祝祭日」の第1回目と2回目の放送を観ました。あと2回、続きます。

 

実はアメリカ文学の巨匠であるヘミングウェイの作品、恥ずかしながら1冊も読んだことがありません。もちろん、「老人と海」とか「武器よさらば」とか、タイトルだけは知ってはいますが、読んだことがない。そもそも僕は、アメリカ文学は、読んだことがあるのはほんの数冊しか読んだことがない。今思い出すのは、フィリップ・ロスの「さよならコロンバス」とか、エリカ・ジョングの「飛ぶのが怖い」とか。もう、ほとんど内容は覚えていません。100分de名著「ヘミングウェイスペシャル 老人と海 敗れざる者 移動祝祭日」、遅まきながら、勉強するのにいい機会です。

 

第1回 10月4日放送

大いなる自然との対峙
~「老人と海」①~
第2回 10月11日放送
死闘から持ち帰った不屈の魂
~「老人と海」②~
第3回 10月18日放送
交錯する「生」と「死」
~「敗れざる者」~
第4回 10月25日放送
作家ヘミングウェイ誕生の軌跡
~「移動祝祭日」~

 

 

 

 

 

100分で名著:ヘミングウェイスペシャル

プロデューサーAのおもわく

「死」「暴力」「老い」「孤独」……私たち人間が逃れようとしても決して逃れない厳しい生の条件を見つめ、透明で簡潔な文体を駆使して、人生の悲喜劇を真っ向から描き続けた作家・ヘミングウェイ(1899-1961)。「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」といった作品群は、今も多くの人たちに読み継がれています。今回は、中でもヘミングウェイの魅力が凝縮しているといわれる中短編の傑作「老人と海」「敗れざる者」「移動祝祭日」をセレクトし、「生とは?」「老いとは?」、そして「人間とは?」といった奥深いテーマをあらためて見つめなおします。
第一次世界大戦の戦場で赤十字の運搬車要員として働いた後、新聞記者を経て作家へと転身したヘミングウェイ。死と隣り合わせの戦場で得た体験とジャーナリズムの中で培われた簡潔な文体は、初期短編集や「日はまた昇る」といった傑作を生みだし彼は一躍時代の寵児となりました。その後、過酷な生の現実が炙り出されるようなスペイン内戦参加等を経て、キューバに移住した後も執筆活動を続け、集大成ともいえる代表作「老人と海」を世に送り出します。掲載誌「ライフ」は48時間内に530万部を売り上げ、その後ノーベル文学賞を受賞することに。名実ともに世界的な作家となり栄光の只中にいたヘミングウェイでしたが、事故の後遺症と鬱病を苦に猟銃自殺を遂げました。
そんなヘミングウェイは、生涯を通じて執筆し続けた作品を通して、何を描き出そうとしたのでしょうか。彼自身体験してきた死と隣り合わせの過酷な現実に対して、敢然と立ち向かう人間の姿を描くことで、どんな状況にあっても朽ちることのない人間の尊厳を私たち読者に伝えようとしたのではないかと、アメリカ文学者の都甲幸治さんはいいます。
番組では、ヘミングウェイの代表作3冊に現代の視点から光を当て直し、そこにこめられた【人間論】や【死生観】【小説表現の奥深い可能性】など、現代の私達にも通じる普遍的なテーマを読み解いていきます。

 

 

第1回 大いなる自然との対峙 ~「老人と海」①~

84日間もの不漁にも挫けず一人小船を操って沖へ出る老人サンチャゴ。親の反対があり、いつも手伝ってくれたマノーリン少年の姿はそこにはない。圧倒的な孤独の中で、彼は大いなる自然と向き合い続ける。そこに、大海原の主ともいえる巨大なカジキが現れる。知力と体力の限りを尽くしたカジキとの死闘を支えたのは、常に心の中にあったマノーリン少年の存在だった。第一回は、人間社会とは一切隔絶した大海原の中での老人サンチャゴの闘いを通して、私達文明人が見失ってしまった大自然との向き合い方や、かけがえのない存在との絆の結び方を学ぶ。
 
第2回 死闘から持ち帰った不屈の魂 ~「老人と海」②~
死闘の末にカジキを仕留めた老人の前に大きな壁が立ちはだかる。血の匂いを嗅ぎつけた鮫たちがカジキを狙って殺到してきたのだ。死力を尽くして鮫たちと闘い続ける老人だったが、やがて力尽きカジキは白骨と化す。それでも老人はその骨を引きずり少年の待つ港へと帰還するのだった。一見無意味ともいえる老人の行為は何を意味しているのか。そこにはヘミングウェイが追い求めた「生の証」があった。第二回は、老人がその闘いを通して少年に伝えたかった真意を読み解き、ヘミングウェイが未来の私たちに託したかったメッセージを明らかにしていく。
 
第3回 交錯する「生」と「死」 ~「敗れざる者」~
負傷が癒え退院したばかりの闘牛士マヌエルは、興行師の元を訪ね再び闘牛の舞台へ立ちたいと申し入れる。だがあてがわれたのは二軍戦ともいうべき「夜間の部」。出場に反対していた仲間もマヌエルの情熱に押し切られ、これを最後に引退するとの約束と引き換えに共に舞台に立つ。苦戦の中、何度も牛に跳ね上げられ宙を舞い続けるマヌエル。無様な姿を晒しながらも渾身の力を込めた剣で終止符を打つ。生と死が交錯する闘いを終えたマヌエルが、運び込まれた診察室でとった行為とは? 第三回は、闘牛士マヌエルとヘミングウェイの姿を重ねながら、人間は死に最も近づいたときにこそ、その命が輝くというヘミングウェイの死生観を浮かび上がらせる。
 
第4回 作家ヘミングウェイ誕生の軌跡 ~「移動祝祭日」~
「もし幸運にも若者の頃パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうともパリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ」という有名なエピグラフで始まる「移動祝祭日」はヘミングウェイによる青春時代の回顧録だ。ジョイス、フィッツジェラルド、ガートルード・スタインら世界文学史を彩る巨匠たちが集うパリの描写は、彼らとの交流が彼にもたらしたものの豊かさを伝える貴重な証言となっている。とともに、小説修業の様子が各所に散りばめられており、彼の創造力がどのように培われたのかを知ることもできる。第四回は、作家ヘミングウェイ誕生の瞬間に立ち会い、人間が創造力をもつには何が必要なのか、また「青春時代」が人間にとってどんな意味をもつのかを深く考える。
 
 
過去の関連記事:ここ数年の記録

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2506

Trending Articles