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Bunkamuraザ・ミュージアムで「マン・レイと女性たち」を観た!

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「マン・レイと女性たち」チラシ

 

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「マン・レイと女性たち」案内小窓
 
Bunkamuraザ・ミュージアムで「マン・レイと女性たち」を観てきました。
展覧会の会期は9月6日、今日までです。
 
高名ではあるが単にマン・レイの写真展だと思い、観に行く気持ちはまったくなかったのですが、「絵画が本領 主題・様式から自由」というタイトルの横尾忠則の書評を読んで、観に行ってみようと思ったわけです。巖谷國士監修の展覧会の図録がそのまま単行本になっているものです。
 
横尾の言い分は、以下の通り。
マン・レイに興味を持ったのは有名な写真ではなく、彼の絵画作品。
マン・レイの絵画はなぜか評価が低い。
主題や様式の統一性から解放されている故に
ダダやシュルレアリスムの精神を宿している。
「天文台の時刻に一恋人たち」は20世紀の美術史の傑作である。
マン・レイの絵画を認めようとしなかった評者の罪は大きい。等々
 
お言葉ですが、展覧会の作品を見て、マン・レイは結局のところ、世評通り、時代に即したファッション写真家だと、僕は思いました。自分の本領は画家であると主張したそうですが、残念ながらそうとは思えませんでした。
 
巖谷國士監修・著の展覧会の図録は、そのまま単行本としても販売されています。マン・レイの自由に生きたミューズたちとの交流が浮かび上がります。「序にかえて」のなかで、超傑作の「アングルのヴァイオリン」の詳細な解説は見事というほかない。
 
展覧会の構成は、以下の通りです。
 
第Ⅰ章 ニューヨーク
  1 セルフポートレート
  2 ダダ時代の作品
第Ⅱ章 パリ
  3 ダダ・シュルレアリズム
  4 シュルレアリストたちの肖像
  5 キキ・ド・モンパルナス
  6 リ・ミラー
  7 社交界・芸術界・モンパルナス
  8 ファッションと写真
  9 裸体からマネキン人形まで
  10 女性たちとシュルレアリスム
  11 マン・レイの「自由な手」
  12  アディ・フィドラン
第Ⅲ章 ハリウッド
   13 ジュリエット・ブラウナー
   14 アートの新天地
第Ⅳ章 パリふたたび
   15 アートのなかの女性像
   16 新しいジュエリーとモード
   17 マン・レイとは誰だったか?

 

さまざまな愛と別れ、知的な発見・冒険・遊びを体験しながら、女性たちとくりひろげたマン・レイの作品世界
アメリカとフランスで活躍し、今もなお世界的な人気を誇る芸術家、マン・レイ。マルチな才能を発揮し、自らを「万能の人」レオナルド・ダ・ヴィンチに例えた彼は、その独創的な撮影スタイルや技法で、大胆さと優美さを持つモデルたちの魅力を引き出し、多くの傑作を生み出しました。

既存の価値の破壊を目指す芸術家であるダダイストを名のり活動を始めたニューヨークからパリへ地を移し、マン・レイは、そこで多くの女性たちと出会います。そして、女性という存在が作品制作における重要なテーマとなり、彼と人生の一時期を共にした女性たちは、新しい時代に生きる自由な女性像、あるいは時代の“ミューズ”として、写真をはじめ、マン・レイのさまざまな作品に登場します。

本展では、芸術家としての道を歩み始めたニューヨーク、シュルレアリストとして創作活動に打ち込んだパリ、戦禍を逃れ移住したハリウッド、そして再びパリへと拠点を移した彼の人生を4章で構成。彼がさまざまな愛と別れ、発見や冒険、遊びを体験していく時間軸を経糸たていとに、その時々のミューズとなった「女性たち」を緯糸よこいとにして、写真を中心に、絵画やオブジェなどを加えた250点を超える選りすぐりの作品でマン・レイの足跡を振り返ります。

“創造するのは神聖な行為、

複製するのは人間的な行為”
Excerpt from Man Ray Originals Graphics Mutiples, 1973


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《カメラをもつセルフポートレート(ソラリゼーション)》 

1932-35年頃 ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ)

MAN RAY

1890-1976
マン・レイ

フィラデルフィア生まれ。ニューヨークで芸術活動を開始したのち、パリに渡り、ダダイスト、シュルレアリストや社交界の人々と交友、前衛作家としての活動のかたわら時流にのった肖像・ファッション写真家として活躍する。ソラリゼーションなどの写真技法を創始。画家・オブジェ作家としての名声もやがて確立した。

 

ファッション

「上半身のカット、クリードのブラウス」

1936年 ゼラチン・シルバー・プリント

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ユーモアとエスプリ

「ペシャージュ(桃・雲・風景)」

1969/1972年 ミクスドメディア

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キキ・ド・モンパルナス

「アングルのヴァイオリン」1924年 ゼラチン・シルバー・プリント

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ジュリエット・ブラウナー

「ジュリエット」(作品集「ジュリエットの50の顔」より)

1943年 ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ)

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メレット・オッペンハイム

「エロチックにヴェールをまとう(メレット・オッペンハイム)」

1943年 ゼラチン・シルバー・プリント

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リー・ミラー

「天文台の時刻に―恋人たち」

1934/1967年 リトグラフ

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マン・レイとは誰だったか?

版画集

「時を越えた貴婦人たちのバラード」より

1971年 エッチング、アクアティント(多色)

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「フェール通り」

1952/1974 リトグラフ(多色)

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「Bunkamuraザ・ミュージアム」ホームページ

展覧会 | Bunkamura

 

「マン・レイと女性たち」

展覧会図録

2021年7月14日初版第1刷発行

監修・著:巖谷國士

発行所:株式会社平凡社

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朝日新聞:2021年8月28日

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