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中野京子の「美貌のひと2 時空を超えて輝く」を読んだ!

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中野京子の「美貌のひと2 時空を超えて輝く」(PHP新書:2021年8月24日第1刷発行)を読みました。

 

中野京子の本、妙な魔力があるのか、出るたびについつい買ってしまいます。今回の「美貌のひと」は「2 時空を超えて輝く」です。最初の「美貌のひと 歴史に名を刻んだ顔」の表紙は、イワン・クラムスコイの「忘れえぬ女」です。トルストイの「アンナ・カレーニナ」のモデルとも言われる絶世の美女です。

中野京子の「美貌のひと 歴史に名を刻んだ顔」を読んだ!

 
今回の「美貌のひと」の表紙はどうでしょう。フランク・カドガン・クーパーの「虚栄」です。実在の女性でも、歴史上の人物でもありません。「ヴァニティ」の擬人像です。「鏡の中の自分に見惚れる着飾った若い女」です。美貌ということでは、ヴィジェ=ルブランの「ウフィッツィの自画像」でしょう。「アントワネットの肖像画を描くルブラン」です。世間のことなど何も知らない少女のような澄んだ瞳をしています。
 
本のカバーには以下のようにあります。
愛と裏切り 交差する運命
名画は現代の私たちに何を語りかけているのか。
 
実在した絶世の美女やおとぎ話の姫、殺人現場に立つ妖艶な女性。寵愛を受けた王を退位に追い込む「傾城の美女」や結ばれぬ恋。異様な自己耽溺を見せるナルシス、男性版ファム・ファタール(運命の女)。一枚の絵のなかに切り取られた一瞬には、罪や裏切りをも孕んだドラマチックな生が凝縮されている。圧倒的な美は善悪を軽々と超え、人々を魅了する。誰もがうらやむ美貌は、時として災いや呪いとなるのかもしれない。有名作品から知られざる一枚まで、時空を超えて輝く男女の美と生き様を40点以上のカラー作品で読み解く。話題作「美貌のひと」の第2弾。
 

本書の構成
第1章 伝説のなかの美しいひと
  《レディ・ゴダイヴァ》ジュール・ジョセフ・ルフェーブル
  《白雪姫》ヘンリー・メイネル・リーム
  《ムーランの聖母子》ジャン・フーケ

  《クリュタイムネストラ》ジョン・メイラー・コリア
  《ヘレネ》作者不詳の壺絵
  《ナルシス》シュラ・ベンツール

第2章 芸術に愛されたひと
  《クララ・シューマン》アンドレアス・シュタウプ

  《ウォルラー・シッカート》ジャック=エミール・ブランシュ
  《ヴィジェ=ルブラン(自画像)》エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン

  《クールベ(自画像)》ギュスターヴ・クールベ
  《マリー・デュプレシ》エドゥアール・ヴィエノー

  《アルフレッド・ダグラス卿》フェリックス・エドワード・ヴァロットン
第3章 数奇な人生を辿ったひと
  《エイダ・ラブレス》アルフレッド・エドワード・シャロン

  《ベッリーニ》ナタ-レ・スキアボーニ
  《ローラ・モンテス》ヨーゼフ・カール・シュティーラー
  《マリー・ゾフィー・アマーリエ》伝ハインリッヒ・フォン・マイヤー
  《アニー・オークレー》作者不詳

  《チェチリア・ガッレラーニ》レオナルド・ダ・ヴィンチ
第4章 権力に翻弄されたひと
  《フローラ》バルトロメオ・ヴェネト

  《サラ・ジェニングス》チャールズ・ジャーヴァス
  《ベェアトリーチェ・チェンチ》伝グイード・レイニ
  《バラ》ジャック=ルイ・ダヴィッド

  《マヌエル・ドゴイ》フランシスコ・バイユー
  《虚栄》フランク・カドガン・クーパー

あとがき
 

 

中野京子:
北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに、絵画エッセイや歴史解説書を多数発表。新聞や雑誌に連載を持つほか、テレビの美術番組に出演するなど幅広く活躍。
著書に『怖い絵』シリーズ(角川文庫)、『ハプスブルク家12の物語』『プロイセン王家12の物語』(以上、光文社新書)、『美貌のひと』(PHP新書)、『画家とモデル』(新潮社)、『中野京子の西洋奇譚』(中央公論新社)、『異形のものたち』(NHK出版新書)など多数。

 

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