「大洋を漂いつづけていた白鯨がようやく安住の地をみつけ岸辺に打ち寄せられた」。カトリック宝塚教会の完成に際し、村野藤吾はそんな言葉を寄せた。上から見て三角形の建物は、鋭角部分に高さ22.5㍍の尖塔が立つ。優美な曲線を描く銅板ぶきの屋根が鯨の背、尖塔が尾。「白鯨の聖堂」としてすっかり定着している。
朝日新聞:2021年7月20日
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以下、「村野藤吾建築案内」より
「宝塚カトリック教会」
阪急今津線の線路脇の狭い敷地に建ち、東西に長い三角形の平面で構成されている。西側を正面として湾曲する壁の北寄りに入口がある。東側の頂点に祭壇が置かれ、西南の角に小聖堂が配置されている。全体はうねるような局面で構成され、一部つまみ上げたように高くなったところが塔となり、その下に祭壇がある。外壁は粗い色モルタルの吹き付けで仕上げられ、荒削りの質感が全体のうねるような形態を強調している。地元では、「白くじら」「なめくじ教会」などの愛称で親しまれている。
外壁の印象は内部空間へも連続し、信者席の天井は波打つようなやわらかい小幅の板張りで、祭壇へ向かって高くなり、祭壇の後には塔から落ちる光が降り注ぐ。側面の壁はずらされ、スリット状の隙間から粗い吹き付けの壁を舐めるように光が差し込む。外壁と大地の境目を曖昧にし、大地から生え出るような造形は、その後の、日本ルーテル神学大学(1969年)、箱根樹木園休息所(1971年)、小山敬三美術館(1975年)へとつながっていく。
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昔、大阪へ行った折によく立ち寄った喫茶店
「戎橋プランタン」
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「村野藤吾 建築案内」
2009年11月26日初版第1刷発行
編者:村野藤吾研究会
発行所:TOTO出版(TOTO株式会社)
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手持ちの村野藤吾の本
和風建築作品詳細図集-1
住宅編
発行日:昭和61年9月20日
編集室:(有)和風建築社
発行所:(株)建築資料研究社
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和風建築作品詳細図集-2
ホテルの和風建築
発行日:昭和61年12月20日
編集室:(有)和風建築社
発行所:(株)建築資料研究社
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