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建モノがたり「神奈川工科大学 KAIT広場」!

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以上の画像は「日経アーキテクチュア2021年3月11日号」より

 

朝日新聞「建モノがたり」

2021年4月13日

神奈川工科大学KAIT広場

キャンパスの異世界 憩いの場に

 

*朝日新聞の記事の切り抜きがどこかへ行っちゃって、見当たりません。

  とりあえずネットから、以下の記事を拾いました。

 

*僕は、現在の建築の”最先端”が、石上純也の「KAIT広場」と、

  10年前の作品「KAIT工房」だと考えています。

  残念ながら諸般の事情により観に行くことができない状況です。

 

足を踏み入れると、異世界へ迷い込んだかのよう。

大学に現れた白く平べったい建物の正体は?

 中に入ると、床も天井も白一色、壁や仕切りはもちろん柱もはりもない。天井に何カ所もあいた四角い穴からの光が、床面に巨大な抽象画を描く。低く傾斜していく奥のほうは地平線のようにも見えて、建物がどこまでも続く錯覚を覚える。

 約4100平方メートル、テニスコート16面分の多目的広場を設計した石上純也さん(47)がイメージしたのは伊シエナのカンポ広場だ。扇形の要に向かってゆるく勾配がつき、人々は地面にすわったり寝転んだりして思い思いの時間を過ごしている。

 神奈川工科大の別の施設も手がけ、キャンパスの様子を知っていた石上さんは「大勢でも1人でも、学生たちが授業の合間にのんびりと過ごせる空間を造りたかった」と語る。

 大空間でありながら天井高は2・4メートルと普通の家ぐらいなのは、そこで落ち着けるよう「人間のスケールに合わせた」からだ。天井に59カ所設けた1・8~3メートル角の開口部からは風も雨も入り、季節や空を肌で感じる。雨水は透水性アスファルトの床の下を流れ地下タンクにたまる。

 苦心したのは巨大な屋根の溶接だ。どうやって計270枚の鉄板をゆがみなく、なめらかに接合するか。施工した鹿島建設が採用したのは、人より作業が速く一定で精度が高いロボット溶接だった。ロボットである程度の大きさにつないだ鉄板を仮支柱の上に載せ、最後は人の手でつなぎ合わせた。

 今月、学内向けに限定オープン。今後は学内のイベント、ソーラーカーの展示やロボットコンテストなどにも使われる予定だ。情報学部3年の片桐直也さんは、「昼休みなどで一息つける場所として利用したい」と語った。

(高田倫子、写真も)

 

設計者:石上純也氏コメント
研究室やフリースペースなど、考えを巡らせることができる空間が大学にはいくつかあります。〈KAIT広場〉でめざしたのは、そこに居るだけでリラックスしてより深く自分の考えに潜り、空間がもたらす他にない感覚から新たな発想が刺激されるような施設です。
全体では約4,100m²という巨大な構造物ですが、一方で天井高は約2.4mと一般的な住宅や校舎と変わらないスケールです。その天井には所々に四角い開口部を設けていて、晴れていれば時間によって光の濃淡が感じられ、雨の日にはシャワーのように雨水が差し込みます。屋外で空や風を感じながら物思いにふける経験は誰にでもあると思いますが、時に自然は人間に対してスケールが大きすぎる。そんな自然を人間のスケールでつくられた屋内空間に取り入れることで、自分のいる空間と自然が共存しているような新たな感覚を得ることができるのです。この感覚が学生の感性を刺激し、新たな発想のきっかけとなることを期待しています。
また地面がゆるやかな傾斜となっているのも特徴のひとつ。置かれたベンチに座るのではなく、好きな場所に腰掛けたり寝転んだり、ここではより思いのままに時間を過ごすことができます。もちろんイベントなどでも活用できるのですが、他にないこの空間をどのように使うのかという点でも、学生のクリエイティビティは多分に刺激されるでしょう。
建築物は建築家が当初想定している機能を超えて進化していくもの。KAIT工房も完成から10年以上が経ち、完成当初より良い建築物になってきたなと嬉しく感じています。KAIT広場もまた同様に、学生のクリエイティビティと共に進化するはず。学生の皆さんにはぜひこの瞬間、この環境だからできるものづくりと向き合ってもらいたい。KAIT広場で得られる新たな刺激を、そのひとつとして活用してもらいたいと思います。(KAIT広報誌 No.195より)

 


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