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鳥居徳敏の「よみがえる天才6 ガウディ」を読んだ!

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鳥居徳敏の「よみがえる天才6 ガウディ」(ちくまプリマ―新書:2021年3月10日初版第1刷発行)を読みました。鳥居徳敏の著作は、鹿島出版会のSD選書「アントニオ・ガウディ」(1985年12月発行)以来、2冊目になります。

 

ちなみにちくまプリマ―新書の「よみがえる天才」シリーズは、比較的若い読者を想定した新しいシリーズですが、過去に以下のものを読みました。

辻惟雄の「よみがえる天才1 伊藤若冲」を読んだ!

池上英洋の「よみがえる天才2 レオナルド・ダ・ヴィンチ」を読んだ!

 

バルセロナには僕は、1998年10月と2007年12月の2回行きました。最初は建築関係者のツアーで、もう一つは一般的な格安ツアーでした。サグラダ・ファミリア贖罪聖堂には2度行きました。

 

鳥居徳敏の「ガウディ」、最新の情報が「はじめに」に載っていました。

バルセロナの未完の聖堂として有名なサグラダ・ファミリア。2026年の完成予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で建設は中断。2021年1月に再開されたものの、完成は再び未定です。

 

この本に入る前に、鳥居徳敏の過去の著作「アントニオ・ガウディ」(鹿島出版会)をめくってみると、面白い箇所を見つけました。第3章7に「失恋と独身主義」というところです。ガウディは聖人化するあまり、初めから独身主義者であったように思われがちだが、実はそうではなかった。なんと三つのガウディの恋愛が知られているという。詳細は省きますが、これが面白い。

この「アントニオ・ガウディ」は、もうほとんどが「よみがえる天才6 ガウディ」と同じ、といったら言い過ぎでしょうか。まあ、同じ著者が同じ題材を扱っているので、それは仕方がないことですが…。

 

この本の内容:

サグラダ・ファミリア聖堂の建築家として名高いガウディ。歴史に学び、洞窟造形を取り入れ、幾何学を駆使しながら、誰よりも新しさを求め、独自の建築様式を生み出した。時空を超え、今なお新鮮な建築物はどのようにして生まれたのか。

目次
第1章 ガウディは才能に恵まれたのか?
第2章 生まれた場所と時代
第3章 できの悪い学生だったの?
第4章 建築事務所でバイトをしながら学ぶ
第5章 パトロン、グエル伯爵とコミーリャス侯爵との出会い
第6章 サグラダ・ファミリア贖罪聖堂が着工されるまで
第7章 サグラダ・ファミリア聖堂に専念
第8章 唯一無二のガウディ建築
第9章 貧者ガウディと権威者ガウディ
第10章 凡人と天才

 

「あとがき」より
天才だから偉大な作品を生み出せるわけではない。偉大な作品を生み出したから天才と呼ばれるのです。天才は天から降って湧いたようなインスピレーションから創作するわけではない。もしそうであるなら、天才を崇めることができても、天才から学ぶことはないのです。ガウディは、「人生は戦いである」と言います。戦う相手は自分自身ですし、自らの境遇・環境です。ガウディ建築は天から授かったものでなく、この飽くことなき戦いの戦利品なのです。
私のガウディ研究は、天才と呼ばれるガウディを凡人に戻すことでした。すなわち、ガウディの創作方式が一般人と変わらぬ人間の創作方式に基づいていたことを証明することにありました。

 

鳥居徳敏:

1947年浜松市出身。名古屋工業大学建築学科卒業。神奈川大学名誉教授。73年渡西。マドリッド工科大学建築学部にてスペイン建築史を専攻。83年、ガウディ研究の二大造形源泉を解明した研究書「ガウディの謎に満ちた世界」をスペインの国費で出版。この本は、今でもサクラダ・ファミリア聖堂の建築家や模型職人たちの基礎資料となっている。著書に「ガウディの建築」「アントニオ・ガウディ」「ガウディ建築のルーツ」(鹿島出版会)、「建築家ガウディ―その歴史的世界と作品」(中央公論美術出版)など。

 

観光客のあまり行かないガウディの作品を、二つ載せておきます。


「グエル別邸・龍の門」1998年10月撮影

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「コロニア・グエル・地下礼拝堂」1988年10月撮影

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過去の関連記事:

田澤耕の「ガウディ伝 『時代の意志』を読む」を読んだ!
「アントニオ・ガウディ」について

 

手持ちのガウディ関連本

 

「ガウディ伝 『時代の意志』を読む」

中公新書

2011年7月25日発行

著者:田澤耕

発行所:中央公論新社

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「ガウデイの生涯」

昭和54年(1979)10月10日第1刷発行

著者:丹下敏明
発行所:株式会社彰国社

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「アントニオ・ガウディ」 

SD選書197 

昭和60年(1985)12月5日第1刷発行 

著者:鳥居徳敏 

発行所:鹿島出版会

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「現代美術の巨匠 アントニオ・ガウディ」

発行日:1988年5月10日第1刷

著者:イグナシ・デ・ソラ-モラレス
訳者:高橋武智

発行:株式会社美術出版社

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「アントニ・ガウディ」その建築的ヴィジョン

発行日:1995年9月23日発行
執筆:

入江正之(建築家・早稲田大学教授)

瀬木慎一(総合美術研究所所長)

中渡憲彦(北海道職業能力開発短期大学校建築科専任講師)

編集:総合美術研究所

発行:総美社

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「ガウディ建築入門」

とんぼの本

発行:1992年1月20日

著者:赤地経夫、田澤耕

発行所:株式会社新潮社

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