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Channel: とんとん・にっき
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TOHOシネマズ渋谷で、クロエ・ジャオ監督の「ノマドランド」を観た!

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TOHOシネマズ渋谷で、女性監督クロエ・ジャオの「ノマドランド」を観てきました。なにしろアメリカの大自然が、ホントに素晴らしい。人間なんか、ちっぽけな存在でしかない、と感じさせる映画でした。

 

「ノマド」というと思い出すのは、六本木交差点から六本木プリンスに向かって坂道を下りてくると右側に、「ノマド」というカフェバーがありました。物珍しさもあってか、よく行きましたね。伊東豊雄が設計したパンチングメタルを多用した最先端の建築でした。パンチングメタルはアルミなどの金属板に穴を穴を開けた素材で、金属の光沢が冷たく光りながら、今までにない軽快な表情をつくりました。もともと土地の関係で仮設的な建築でしたが、その軽快で変化に富む建築が、それまで重厚な建築ばかりがほとんどの建築界とは真逆な建築で、伊東豊雄が時代の先端に躍り出た初期の建築でした。

 

また「ノマド」といえば思い出すのは「パオロ・ソレリ」、正確には「ノマド」といえるかどうか、分かりませんが・・・。アリゾナの州都フェニックスから北に100キロ、標高1200メートルの乾燥した大地に、パオロ・ソレりの実験都市「アーコサンティ」を建設します。アーコロジーとは、アーキテクチャ―とエコロジーを組み合わせたソレリによる造語で、実験都市アーコサンティ建設のバックボーンとなる理論です。1970年から始められたアーコサンティ・プロジェクトは50年近く経った現在も、全体計画の数パーセントしか完成しているに過ぎない。建設は日々継続され、その建設資金も建設に携わる人材もすべて自力で調達しています。世界中から集まってくるワークショップボランティアにより建設が進められています。そこに暮らす人たちは、元祖「ヒッピー」ですね。アメリカン・ドリームへの憧れとは正反対の暮らしを続けています。

 

この映画は、中国出身のクロエ・ジャオが監督し、フランシス・マクドーマンドが主演を務めます。彼女はアカデミー賞を二度受賞しています。なんとコーエン兄弟のジョエル・コーエンと結婚しています。

 

ガソリンを消費するキャンピングカーを使っているところは矛盾する気がしますし、生活の糧の多くを「アマゾン」に依存しているのも、矛盾を感じます。しかし、広大な西部をさすら高齢で低所得者のノマドたちは、アメリカ人の源流でもあるのです。

 

以下、シネマトゥディによる。

 

見どころ:


ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション小説を原作に、「ノマド(遊牧民)」と呼ばれる車上生活者の生きざまを描いたロードムービー。金融危機により全てを失いノマドになった女性が、生きる希望を求めて放浪の旅を続ける。オスカー女優フランシス・マクドーマンドが主人公を演じ、『グッドナイト&グッドラック』などのデヴィッド・ストラザーンをはじめ、実際にノマドとして生活する人たちが出演。『ザ・ライダー』などのクロエ・ジャオがメガホンを取り、第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を獲得した。

あらすじ:
アメリカ・ネバダ州に暮らす60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)は、リーマンショックによる企業の倒産で住み慣れた家を失ってしまう。彼女はキャンピングカーに荷物を積み込み、車上生活をしながら過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを余儀なくされる。現代の「ノマド(遊牧民)」として一日一日を必死に乗り越え、その過程で出会うノマドたちと苦楽を共にし、ファーンは広大な西部をさすらう。

 

 

 

 

 

 

 

「ノマドランド」予告編

 

 

朝日新聞:2021年3月20日

 

 

 


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