先日、「エヴァの告白」という、生きるためにニューヨークへ妹と二人で移住した女性の映画を観ました。主演は主演はマリオン・コティヤール、マリオンの放つ美しさに圧倒されたジェームズ・グレイ監督が、彼女のために書き下ろした作品だという。幸せを求めて移住したアメリカで、夢破れて娼婦に身を落としながら懸命に生きようとする美しく、しかし幸薄い主人公を演じました。
経歴を調べてみると、2007年公開のフランス映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」でエディット・ピアフ役を演じ、第33回セザール賞主演女優賞や第65回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)などを受賞。第80回アカデミー賞主演女優賞も受賞したという、素晴らしい経歴の持ち主でした。そういうことであれば、「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」は観ておかなければなりません。
エディット・ピアフといえば「愛の讃歌」です。僕でも知っています。「愛の讃歌」は、原題は "Hymne à l'amour"(イムヌ・ア・ラムール)。作詞:エディット・ピアフ、作曲:マルグリット・モノー。シャンソンを代表する曲として世界中で親しまれている。先日のフランス旅行でバスで移動中、必ずこの曲がかかっていました。まさに国民的歌手ですね。
歌詞は・・・妻子を持つセルダンとの恋愛に終止符を打つ為に書いたものだと考えられているという。日本では岩谷時子の訳詞により越路吹雪が歌ったものが特に有名です。越路の代表曲の一つとなり、生涯の持ち歌にもなりました。・・・この岩谷詞は、近年では本田美奈子.がアルバムで取り上げた他、桑田佳祐もテレビCMの中でアカペラで歌唱するなど、数多くの歌手が歌っています。・・・加藤登紀子、宇多田ヒカルは自分で訳詞したものを歌っており、原曲に近い詞になっている、という。
(以上、ウィキペディア「愛の讃歌」による)
僕がいつもジムでウォーキングしながら聞いているのは、宇多田ヒカルの「"Hymne à l'amour"~愛のアンセム」 、この速いテンポがいいんですよね、僕には。ペプシのCMにも使われていました。なんとこのジャズ風の「愛のアンセム」、ジャズミュージシャンの菊池成孔が参加していたようです。なるほど、初めて知りました。岩谷の訳詩は原詩にある背徳的な内容とは異なったもので、宇多田のものは原詩に近いものだという。そこまでは僕は分かりませんが・・・。
TBSラジオの日曜朝7時から、「美輪明宏のバラ色の日曜日」という番組があり、いつも聞いています。いや、これだけではなく、なんとなく流れでTBSラジオをつけているのですが・・・。そこでも「愛の讃歌」が流れていて、4月12日から5月5日まで新国立劇場中劇場で、「美輪明宏版『愛の讃歌』~エディット・ピアフ物語~」が開催されているとの案内がありました。番組表をみたら、「無償の愛の歌の最高傑作『愛の讃歌』を創り歌ったエディット・ピアフのドラマティックな生涯を描く!」とありました。
YouTubeでピアフの「愛の讃歌」を繰り返し聞きました。その姿も観ました。「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」では、もちろん「エヴァの告白」とはだいぶ印象が異なります。マリオン・コティヤールは、20歳から晩年までのピアフを見事に演じきっています。歳とともに背中が曲がって、頭髪も上がってきます。何度かの交通事故とモルヒネ中毒で身体はボロボロ、見るからにヨボヨボですが、歌い出したらピシッとして、いや、すごい。芸能人特有のイヤらしさもそこかしこに差し挟んでいます。劇中で歌われた歌のほとんどは、実際にピアフ本人の音源から使用されているそうです。
1915年、フランス・パリの貧しい家庭に生まれたエディット・ジョヴァンナ・ガション。3歳から5歳まで、失明していたとされます。母は路上で歌を歌い、日銭を稼ぐ毎日。祖母が経営する娼館に預けられた彼女、やがて兵役から戻った父に引き取られると、路上で大道芸をする父の手伝いをする中で、自らも人前で歌うことを覚えます。そして1935年、パリ市内の名門クラブのオーナー、ルイ・ルプレにスカウトされ、ピアフと名付けらます。ピアフとは「すずめ」の意、身長142cmのエディットには似合っています。ピアフは歌手としてデビューするや、瞬く間にスターダムへと駆け上っていくのでした。
その絶頂期に、ニューヨークでボクシングの世界チャンピオン、マルセル・セルダンと運命の出会いがありました。マルセルには妻子がいましたが、二人は急速に引かれ合っていきます。しかし2年後、ピアフに会うために乗ったマルセルの飛行機が墜落します。ピアフはマルセルのために新曲を発表する予定でした。その新曲は「愛の讃歌」でした。原題は「LA VIE EN ROSE(バラ色の人生)」です。
以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきま す。
チェック:「愛の讃歌」など、数々の名曲で世界中を魅了した伝説の歌姫エディット・ピアフの生涯を描く伝記ドラマ。監督は『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』のオリヴィエ・ダアン。1963年に生涯を閉じたピアフを『ロング・エンゲージメント』のマリオン・コティヤールが演じる。美しい歌声を披露したコティヤールの熱演と、愛に生きたピアフのドラマチックな人生のドラマが堪能できる。
ストーリー:歌手を目指す母アネッタ(クロチルド・クロー)の娘エディット(マリオン・コティヤール)は、祖母が経営する娼館で娼婦のティティーヌ(エマニュエル・セニエ)らに育てられる。やがて母のように道で歌い始めたエディットは、名門キャバレーのオーナー、ルイ・ルプレ(ジェラール・ドパルデュー)に見出されるが……。