東京国立博物館・平成館で「栄西と建仁寺」を観た！

「栄西と建仁寺」チラシ

案内板と「平成館」　　　　　　　「栄西と建仁寺」案内板

東京国立博物館・平成館で「栄西と建仁寺」を観てきました。 観に行ったのは、桜が咲き始めた頃、3月28日のことでした。チラシには、「国宝“風神雷神”、5年ぶりに参上」とあります。よく見ると「開山・栄西禅師800年遠忌」とあります。「栄西」は「ようさい」と読ませます。

2006年 11月に京都旅行へ行った時、偶然にも建仁寺に出くわして、法堂の大天井画、小泉淳作画伯筆「双龍図」を観たことがありました。その際、以下のように書きました。

日本最古の禅寺、臨済宗建仁寺派の大本山、建仁寺です。そうです、俵屋宗達の「国宝　風神雷神図屏風」はもともと建仁寺のもの。落款も印章もないけれど、俵屋宗達の真作として認められている晩年の最高傑作です。通常は京都国立博物館に寄託してあるため、建仁寺には玄関正面に複製品が展示してありました。和室には陶版の複製もありました。本物は先日、出光美術館で観たばかりです。

建仁寺の「双龍図」を観た！

今回の「栄西と建仁寺」、やはりなんと言っても目玉は俵屋宗達の国宝「風神雷神図屏風」でしょう。4月8日からは尾形光琳の重文「風神雷神図屏風」も展示するようです。上にもあるように僕は、出光美術館で3つの「風神雷神図屏風」が勢揃いしたときの展覧会を観ています。その時の様子は、以下のように書いています。
出光美術館で「国宝・風神雷神図屏風」展を観る！

もう一つの目玉は、海北友松の気宇壮大な水墨画でしょう。建仁寺は海北友松の作品の宝庫です。これでもか、というほど、海北友松の作品が勢揃いしていました。なかでも重要文化財「雲龍図」の迫力は凄いものがあります。ウィキペディアには、以下のようにあります。

建仁寺本坊大方丈障壁画 重要文化財 京都国立博物館寄託
全50面。内訳は、依鉢の間「琴棋書画図」10面、檀那の間「山水図」8面、室中「竹林七賢図」16面、書院の間「花鳥図」10面（内2面消失）、礼の間「雲龍図」8面。慶長4年（1599年）安国寺恵瓊が、前身の安国寺方丈を本坊方丈として移建する際、障壁画は新調し、その制作を任されたのが友松であった。堂々たる大作であり、制作年がはっきりとした基準作としても貴重である。昭和9年（1934年）の第一室戸台風で大方丈が倒壊したことから、現在の大型の掛け軸に改装された。

また、長谷川等伯、伊藤若冲、曾我簫白、長沢芦雪、白隠らの作品も勢揃いです。

展覧会の構成は、以下の通りです。

序章

第1章　栄西の足跡

第2章　建仁寺ゆかりの僧たち

第3章　近世の建仁寺

第4章　建仁寺ゆかりの名宝

栄西（ようさい）さんはこんな人！

「栄西（ようさい）さんはこんな人！

・永治元年（1141）4月20日、備中（岡山県）吉備津神社の社家、賀陽氏の子として｢誕生。

・18歳のとき、記憶力を驚異的に高める厳しい修行をやり遂げ、12cmも背が伸びた！！頭も次第に大きく！？

・東大寺再建に尽力。一方で、国際交流の盛んな新時代にふさわしい社会貢献をめざした。

・禅以外に戒律、密教さらに念仏も広めるなど、多様な活動を展開。

・28歳と47歳に2度の渡宋。万年寺の虚庵懷敞のもとで、4年間にわたる臨済禅の修行に励んだ。

・宋から茶種を持ち帰り栽培。日本初の茶の専門書「喫茶養生記」を著し、日本の茶祖としても尊崇されている。

第1章　栄西の足跡

「明庵栄西座像」鎌倉時代・13-14世紀

栄西筆「国宝　誓願寺孟蘭盆一品経縁起」平安時代・治承2年（1178）

第2章　建仁寺ゆかりの僧たち

重要文化財「中厳円月座像」南北朝時代・14世紀

第3章　近世の建仁寺

重要文化財「打掛　花菱甲模様縫箔　高台院用」安土桃山時代・16世紀

海北友松筆、重要文化財「竹林七賢図」安土桃山時代・慶長4年（1599）

海北友松筆、重要文化財「竹林七賢図」安土桃山時代・慶長4年（1599）

海北友松筆「重文　雲龍図」左4幅のうち2幅安土桃山時代・慶弔4年（1599）

海北友松筆「重文　雲龍図」左4幅のうち2幅安土桃山時代・慶弔4年（1599）

第4章　建仁寺ゆかりの名宝

良全筆、重要文化財「十六羅漢図」鎌倉～南北朝時代・14世紀

左：伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」江戸時代・18世紀右：長澤芦雪筆「牧童吹笛図」江戸時代・18世紀

俵屋宗達筆「国宝　風神雷神図屏風」江戸時代・17世紀

栄西とお茶―四頭茶会―

建仁寺方丈における「四頭茶会」の様子。茶道の原形、禅林の茶を象徴する「四頭茶会」の空間が、会場に再現されていました。

2014年は、日本に禅宗（臨済宗）を広め、京都西湖の禅寺「建仁寺」を開創した栄西禅師（1141-1215）の800年遠忌にあたります。これにあわせ、栄西ならびに建仁寺ゆかりの宝物を一堂に集めた展覧会を開催します。本展は、近年研究が進んでいる栄西の著述のほか、建仁寺に関わりのある禅僧の活動を通して、栄西の伝えようとしたもの、そして建仁寺が日本文化の発展に果たした役割を検証しようとするものです。俵屋宗達の最高傑作、国宝「風神雷神図屏風」を筆頭に、海北友松筆の重文「雲龍図」など建仁寺本坊方丈障壁画、山内の塔頭に伝わる工芸や絵画の名品、栄西をはじめとした建仁寺歴代名僧の書蹟はもちろん、全国の建仁寺派の寺院などが所蔵する宝物を展示します。

「東京国立博物館」ホームページ

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