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行定勲監督の「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」を観た!

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行定勲監督の「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」を、公開時に見逃していたので、TUTAYAで借りてDVDで観ました。映画では単に「つやのよる」だけでなく、タイトルは「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」となっています。井上荒野の「つやのよる」を読んだのは2010年9月、今から3年半ほど前のことです。その前の年、2009年3月には直木賞受賞作である井上荒野の「切羽へ」を読んでいます。

井上荒野の「切羽へ」を読んだ!


「つやのよる」の本の帯には「一人の女の謎に揺れる人々。男と女の表と裏を鮮やかに照らし出す最新長編」とあり、続けて「あなたと艶さん、どんな関係だったの?」とあります。本の案内には「私は愛されているのだろうか――夫と、恋人と、父と関係のあったらしい、艶という女の危篤の知らせをきっかけに、自分の男をいつも以上に観察する女たち。立ち現れる男たちの他人のような姿。性的に奔放な一人の女をめぐる大きな渦のような人間模様の中に、女と男の恋の本音を描き出す刺激的な長編」とあります。


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大島の巨大な地層断面を背景に、坂道を懸命に自転車を走らせる松生のシーンで始まります。艶という女と大島に駆け落ちして結婚した松生春二(阿部寛)は、奔放な妻の不貞に悩まされてきました。そんな艶が病に冒され、昏睡状態に陥ります。何度も艶に裏切られても献身的に愛してきた松生は、彼女を失うことに耐えられません。彼は、過去に艶が関係を持った男たちに、愛の深さを確かめようと思いつきます。


東京で一見平穏な生活を営む何組かのカップルや家族に突然もたらされた艶の話。夫の、恋人の、父のそれぞれの様子から、艶という未知の女との肉体関係を感づいてしまった女たちは、突然自分たちの人生に割り込んできた艶という存在に困惑します。目の前に見えているはずの“大切な人”が知らない顔を見せた時、人は愛を確かめ、見つめ直します。


艶の従兄の妻・石田環希(小泉今日子)は、小説家である夫の作品の登場人物が、艶をモデルにしているという話を耳にし、さらに松生からの電話で夫と艶の関係を疑い始めます。映画での見せ場は、小泉今日子と愛人役の荻野目慶子の壮絶なワインかけでした。荻野目の悲鳴には驚かされました。松本清張原作の映画「疑惑」の、桃井かおり演じる被疑者と、岩下志麻演じる女性弁護士の壮絶なバトルを思い出します。


艶の最初の夫(岸谷五朗)の愛人・橋本湊(野波真帆)は不動産会社に勤務していますが、艶と自分のどちらが愛されているのかを確かめようと考えます。岸谷の着流しに長髪という風貌は、いかにも昭和の作家然としたもの。不動産会社の渡辺いっけいも高橋ひとみも、得体のしれない不思議な人物です。


1年前に自殺した夫が艶の愛人だった可能性がある橋川サキ子(風吹ジュン)は、夫の死の理由を探し求めていたが、松生からの連絡を受けて、大島行きを決意します。大島の美容院で働き、松生とも面識がある百々子(真木よう子)は、艶がストーカーとなって追いかけた男の恋人だが、艶に対する松生の愛を見て、自分の恋に対する自信が揺らぎます。


松生の元妻・早千子(大竹しのぶ)は、娘の麻千子(忽那汐里)から大島へ行くことを提案されます。原作では麻千子の母親や、麻千子の大学の教授(奥田瑛二)はほとんど出てきませんが、肉体関係もあるのか、映画ではなにやら重要な役柄です。


映画は主として艶と直接・間接、かかわりのあった女の側から描かれていますが、艶の最後の夫、松生春二だけは、艶と直接かかわりがあった人物です。松生春二は、艶が病気になってから、自分を取り巻くものがどんどん曖昧になっていくのを感じます。この家に艶は、間違いなくもう二度と戻らないのだと考えたりもします。松生は艶の鏡台の抽斗を開けて、目についたものを抜き取ります。艶はもうここには戻ってこないのだから。


これから忙しくなると、松生は思い、自分がしていることを悟ります。艶が関わってきた男たちに、艶が早晩死ぬことを知らせてやろうと考えています。どこまで叶うかは分からないが、できるところまでやってみようと、松生は思います。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:『今度は愛妻家』でも夫婦愛をテーマにした行定勲が監督を務め、直木賞作家井上荒野の小説を映画化した恋愛群像劇。死の床にある妻を中心に、彼女の夫によってもたらされた思わぬ知らせに振り回される男女のドラマを描き出す。愛に全てをささげた主人公を演じるのは、『テルマエ・ロマエ』も好評だった阿部寛。小泉今日子に野波麻帆、風吹ジュンに真木よう子、忽那汐里に大竹しのぶら大物女優から若手まで豪華共演の物語に熱中する。

ストーリー:春二(阿部寛)は艶という女性と駆け落ちまでして大島へとたどり着くが、気ままな妻の不貞に翻弄(ほんろう)されてきた。そんなある日、艶の病気が発覚し、さらには昏睡(こんすい)状態に陥ってしまい、これまで無心に彼女を愛し続けてきた彼は激しく動揺する。ついに春二は最愛の妻と深い仲だった男性たちに、艶が瀕死(ひんし)の状態にあることを知らせようと思い立つが……。


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映画「つやのよる」公式サイト


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