「本でも読んでみっか」、2013年(1月~12月)のまとめ
第150回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日夕、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は小山田浩子さん(30)の「穴」(「新潮」9月号)、直木賞は姫野カオルコさん(55)の「昭和の犬」(幻冬舎)と朝井まかてさん(54)の「恋歌(れんか)」(講談社)に決まった。というニュースが流れました。
小山田浩子と姫野カオルコは、過去に読んだことがありますね。
小山田浩子の「工場」を読んだ!
姫野カオルコの「ツ、イ、ラ、ク」を読む!
それはさておき・・・。
大江健三郎、大江文学の集大成「晩年様式集 イン・レイト・スタイル」が出ました。 「おそらく最後の小説を、私は円熟したろう作家としてではなく、フクシマと原発事故のカタストロフィーに追い詰められる思いで書き続けた。しかし70歳で書いた若い人に希望を語る詩を新しく引用してしめくくったとも、死んだ友人たちに伝えたい。」と、大江自身が述べているものです。
読売新聞の尾崎真理子が聞き手の「大江健三郎 作家自身を語る」(新潮文庫:平成25年12月1日発行)を昨年中に読みました。単行本の刊行から6年半、「美しいアナベル・リイ」「水死」「晩年様式集」、3つの長篇小説がその間に完成し、文庫化に際して再び大江健三郎への長いインタビューを加えたものです。ブログに書いたのは今年に入ってからでした。
大江健三郎賞を受賞した本谷有希子の「嵐をピクニック」、大江との公開対談にも参加することができました。 東日本大震災以後の文学作品では、いとうせいこうの「想像ラジオ」が出色の出来栄えでした。分野はちがうが、東島誠・與那覇潤の「日本の起源」を読んだのは、昨年の収穫のひとつでした。また村井康彦の「出雲と大和―古代国家の原像をたずねて」にも、おおいに刺激を受けました。
安村敏信の「江戸絵画の非常識 近世絵画の定説をくつがえす」と、ヤーコプ・ブルクハルトの「ルーベンス回想」、共に密度の濃い作品(論文)でした。 いま脂が乗り切っているのか、池上英洋と宮下規久朗の「入門書」のたぐいが昨年、次々と出ました。次々と買ってはいるものの、さらっと読むだけで、ブログに書く気にはなれません。いずれまとめて紹介する予定ですが・・・。
鈴木博之の仕事は、「都市へ」「庭師 小川治兵衞とその時代」など、ここ数年充実しています。磯崎新×鈴木博之「20世紀の現代建築を検証する」は、近代建築を再評価したもの、まさに教科書的な存在です。 難波和彦の「新しい住宅の世界」は、NHKBSの放映している放送大学のテキストにあたるものです。毎週楽しみに見ていました。東日本大震災以後の、難波の住まい論の集大成といえる仕事です。
海外もの、翻訳ものは、たったの2冊、しかも上半期だけ、思っていた以上に少なかった。イーユン・リーの「黄金の少年、エメラルドの少女」と、ベルンハルト・シュリンクの「夏の嘘」 、共になかなか難しい作品でした。
毎年この欄に書いていますが、相変わらず次々とアマゾンで本を注文、購入し、読み切れなくて、どんどん本が溜まっていきます。この連鎖を何とか断ち切らないと、大変なことになりそうです。
以下、2013年のベスト5を載せておきます。
(フィクション海外は2冊しか読んでいない・・・)
フィクション海外編2点
フィクション国内編5点
川上未映子の「愛の夢とか」を読んだ!
いとうせいこうの「想像ラジオ」を読んだ!
大江健三郎の「晩年様式集 イン・レイト・スタイル」を読んだ!
ノンフィクション5点
村井康彦の「出雲と大和―古代国家の原像をたずねて」を読んだ!
山岡光治の「地図をつくった男たち 明治の地図の物語」を読んだ!
アート関連5点
安村敏信の「江戸絵画の非常識 近世絵画の定説をくつがえす」を読んだ!
建築関連5点
以下、「本でも読んでみっか」、2013年月毎のまとめです。
2013年
1月
芳澤勝弘著「白隠―禅画の世界」を読んだ!
読んだ本が映画化やドラマ化された!
芥川賞・直木賞を受賞するのは誰か?
第148回芥川賞・直木賞決定!
「本でも読んでみっか」、2012年(1月~12月)のまとめ!
イーユン・リーの「黄金の少年、エメラルドの少女」を読んだ!
2月
李妍焱の「中国の市民社会―動き出す草の根NGO」を読んだ!
「地図をつくった男たち」の書評が朝日新聞に載った!
鈴木博之の「都市へ」を読んだ!
辛島昇・著、大村次郷・写真「インド・カレー紀行」を読んだ!
3月
興梠一郎の「中国 目覚めた民衆」を読んだ!
延藤安弘の「まち再生の術語集」を読んだ!
4月
山岡光治の「地図をつくった男たち 明治の地図の物語」を読んだ!
難波和彦の「新しい住宅の世界」が届いた!
本谷有希子の「嵐をピクニック」を読んだ!
本谷有希子の「自分を好きになる方法」を読んだ!
須飼秀和・画「私だけのふるさと 作家たちの原風景」を読んだ!
5月
村井康彦の「出雲と大和―古代国家の原像をたずねて」を読んだ!
池上英洋編著「レオナルド・ダ・ヴィンチ」を読んだ!
酒井忠康の「覚書 幕末・明治の美術」を読んだ!
「第7回大江健三郎賞・公開対談」を聞く!
宮下規久朗の「欲望の美術史」を読んだ!
川上弘美の「なめらかで熱くて甘苦しくて」を読んだ!
江國香織の「ちょうちんそで」を読んだ!
芥川龍之介の「南京の基督」を読んだ!
小島剛一の「漂流するトルコ 続『トルコのもう一つの顔』」を読んだ!
6月
海老坂武の「加藤周一―20世紀を問う」を読んだ!
「マウリッツハウスにて フェルメール」を読んだ!
ベルンハルト・シュリンクの「夏の嘘」を読んだ!
連続講座「書物の達人―丸谷才一」、川本三郎「昭和史のなかの丸谷才一」!
連続講座「書物の達人 丸谷才一」、菅野昭正の丸谷才一論!
清水徹の「ヴァレリー・知性と感性の相剋」を読んだ!
吉田修一の「愛に乱暴」を読んだ!
連続講座「書物の達人―丸谷才一」、岡野弘彦「快談・俳諧・花柳」!
連続講座「書物の達人―丸谷才一」、鹿島茂「官僚的なものへの寛容な知識人」!
7月
安村敏信の「江戸絵画の非常識 近世絵画の定説をくつがえす」を読んだ!
窪島誠一郎の「父 水上勉」を読んだ!
連続講座「書物の達人―丸谷才一」、関容子「『忠臣蔵とは何か』について」!
「本でも読んでみっか」、2012年上半期(1月~6月)のまとめ
鈴木博之の「庭師 小川治兵衞とその時代」を読んだ!
宮下規久朗の「モチーフで読む美術史」を読んだ!
小野田滋の「東京鉄道遺産」を読んだ!
藤森輝信×山口晃「日本建築集中講義」を読んだ!
芸術新潮で「磯崎新が読み解く知られざる丹下健三」を読んだ!
8月
田口ランディの「被爆のマリア」を読んだ!
武澤秀一の「伊勢神宮と天皇の謎」を読んだ!
池上英洋の「神のごときミケランジェロ」を読んだ!
藤野可織の「爪と目」を読んだ!
桜木紫乃の「ホテルローヤル」を読んだ!
中見真理の「柳宗悦―『複合の美』の思想」を読んだ!
9月
山岡光治の「地形図を読む技術」を読んだ!
山口晃の「ヘンな日本美術史」を読んだ!
川上未映子の「愛の夢とか」を読んだ!
いとうせいこうの「想像ラジオ」を読んだ!
西村賢太の「歪んだ忌日」を読んだ!
10月
木下長宏の「ミケランジェロ」を読んだ!
東島誠・與那覇潤の「日本の起源」を読んだ!
重森千靑の「日本の10大庭園―何を見ればいいのか」を読んだ!
11月
清水眞澄の「仏像の顔―形と表情をよむ」を読んだ!
大江健三郎の「晩年様式集 イン・レイト・スタイル」を読んだ!
鈴木博之の「世界遺産をもっと楽しむための西洋建築入門」を読んだ!
佐藤泰志の「そこのみにて光輝く」を読んだ!
磯崎新×鈴木博之「20世紀の現代建築を検証する」を読んだ!
12月
佐藤泰志の「移動動物園」を読んだ!
ヤーコプ・ブルクハルトの「ルーベンス回想」を読んだ!
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「本でも読んでみっか」、2009年のまとめ
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