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Channel: とんとん・にっき
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またまたまた「駅/STATION」を観た!

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かつては日本全国、大晦日はTBSの「レコード大賞」を見て、NHKの「紅白歌合戦」を見て、「行く年来る年」を見ることで1年が終わりました。売れっ子の歌手は、TBSからNHKへと大急ぎで移動するわけです。だから同じ歌が続けてテレビで流れるわけです。


「駅/STATION」には、八代亜紀の「舟歌」が映画の中で3度流れます。高倉健扮する英次は、赤提灯「桐子」に入ります。女手一つで切り盛りする桐子の店だが、30日なのに客は誰もいない。テレビでは八代亜紀の「舟唄」が流れてきます。「この唄好きなのよ、わたし」と倍賞千恵子扮する桐子はつぶやき、テレビにあわせて歌い出します。


お酒はぬるめの 燗がいい 肴はあぶった イカでいい

女は無口な ひとがいい 灯りはぼんやり 灯りゃいい


去年の正月、わたしの友達、札幌のアパートでガス自殺してね。1月5日。すすき野のバーにつとめていた娘。知ってる?水商売やってる娘はね、暮れから正月に賭けて、自殺する娘が多いの。なぜだか分かる?男が家庭に帰るからよ。どんな遊び人も、この時期は、家庭に帰っちゃうからね。八代亜紀の「舟歌」が流れる中、そう桐子は続けます。


テレビで放映していた「駅/STATION」を録画しておいたので、もう何度も観た作品ですが、再度、大晦日に観てみました。細かいことは前に書いたので、そちらを参照していただくとして、やはり「駅/STATION」は、八代亜紀の「舟歌」を抜きにしては語れません。そしてこの映画は、当然ですが、年末に観る映画だということがよく分かりました。英次の心情も、桐子の寂しさも、年末だからこそ、しみじみと伝わってきました。


八代亜紀の「舟歌」は発売が1979年、この年八代亜紀は「舟歌」で紅白歌合戦の大トリをつとめました。八代亜紀は「舟歌」で紅白には3回出ているようです。映画「駅/STATION」の公開は1981年でした。


「駅/STATION」:あらすじ

KINENOTE「駅/STATION」 より


1967年1月 直子

その日、警察官の英次は雪の降り続く銭函駅ホームで、妻の直子と、四歳になる息子義高に別れを告げた。離婚を承諾した直子は、動き出した汽車の中で、英次に笑って敬礼するが、その目には涙が溢れていた。苛酷な仕事と、オリンピックの射撃選手に選ばれ合宿生活が続いていたことも原因であった。その頃、英次の上司、相馬が連続警察官射殺犯“指名22号”に射殺された。中川警視の「お前には日本人全ての期待がわかっている」との言葉に、犯人を追跡したい英次の願いは聞き入れられなかった。テレビが東京オリンピック三位の円谷幸吉の自殺を報じていた。「これ以上走れない……」英次にその気持が痛いほどわかった。

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1976年6月 すず子

英次の妹、冬子が、愛する義二とではなく、伯父の勧めた見合の相手と結婚した。英次は、妹の心にとまどいを覚え、義二は結婚式の夜に荒れた。


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その頃、英次はオリンピック強化コーチのかたわら、赤いミニスカートの女だけを狙う通り魔を追っていた。増毛駅前の風侍食堂につとめる吉松すず子の兄、五郎が犯人として浮かんだ。すず子を尾行する英次のもとへ、コーチ解任の知らせが届いた。スパルタ訓練に耐えられなくなった選手たちの造反によるものだ。すず子はチンピラの雪夫の子を堕すが、彼を好きだった。しかし、雪夫にとって、すず子は欲望のハケロでしかなく、英次が警察官と知ると協力を申し出た。雪夫は結婚を口実にすず子を口説いた。すず子は、刑事たちの張り込みに気づいていながらも、愛する雪夫を兄に会わせたく、隠れている町へ案内した。そして、英次の前に吉松が現れたとき、すず子の悲鳴がこだました。


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1979年12月 桐子

英次のもとに旭川刑務所の吉松五郎から、刑の執行を知らせる手紙が届いた。四年の間、差し入れを続けていた英次への感謝の手紙でもあった。英次は故郷の雄冬に帰ろうと、連絡船の出る増毛駅に降りた。風待食堂では相変らず、すず子が働いていた。雪夫は結婚したらしく、妻と子を連れてすず子の前を通り過ぎて行く。舟の欠航で所在無い英次は、赤提灯「桐子」に入った。女手一つで切り盛りする桐子の店だが、三十日なのに客も来ない。テレビでは八代亜紀の「舟唄」が流れている。「この唄好きなのよ」と桐子は咳いた。自分と同じく孤独の影を背負う桐子に、いつしか惹かれる英次。大晦日、二人は留萌で映画を観た。肩を寄せ合って歩く二人が結ばれるのに時間はかからなかった。


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英次は、初詣の道陰で桐子を見つめる一人の男に気づく。英次が雄冬に帰りついたのは、元旦も終ろうとしている頃だ。そこで、十三年ぶりに電話をかけて直子の声を聞いた。池袋のバーでホステスをしているという。雄冬の帰り、桐子は、札幌へ帰る英次を見送りに来ていた。その時、“指名22号”のタレ込みがあり、英次は増毛に戻った。手配写真と、桐子を見つめていた男の顔が英次の頭の中でダブル。桐子のアパートで22号は、英次の拳銃で撃ち殺された。警察に通報しながら22号をかくまっていた桐子。札幌に戻る前、英次は桐子を訪ねた。英次に背を向け「舟唄」を聞き入る彼女の顔に涙が流れている。英次は気づかない。英次は札幌行きの列車に乗った。


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