フェルナンド・トルエバ監督の「ふたりのアトリエ~ある彫刻家とモデル~」を観てきました。タイトルがすべてを言い表しています。「老彫刻家と彼に再び創作意欲をもたらす若いモデルとの関係を美しい映像と共につづるドラマ」です。彫刻家アリスティド・マイヨールに着想を得た物語、だという。しかしこれは、想像上に描かれた理想的な世界です。ただ一度のユートピアです。それにしても若いモデルは、この世のものとは思えないほどの見事な肢体です。
以前、映画「カミーユ・クローデル」を観ました。カミーユ・クローデルはロダンのモデルであり、そして愛人でもありました。不幸なことにカミーユも彫刻家でした。最後は精神を病み死んでいきます。それと比べると「ふたりのアトリエ」の方は、老彫刻家とモデルは、カラッとしてドライな関係です。歳の差もかなり離れています。アトリエは密室です。ただ一度だけふたりは接近します。彫刻作品は完成します。仕事を終えて、若いモデルは去っていきます。残された老彫刻家は・・・。
老彫刻家の妻役はクラウディーナ・カルディナーレ、僕の若い頃、1960年代にはブリジッド・バルドーやマリリン・モンローと並んで、セクシー女優として名を馳せていました。ルキーノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」(1963年)が代表作です。
以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。
チェック:第2次世界大戦中のドイツ占領下のフランスを舞台に、老彫刻家と彼に再び創作意欲をもたらす若いモデルとの関係を美しい映像と共につづる歴史ドラマ。ピカソやロダンなどの芸術家と親交のあった彫刻家アリスティド・マイヨールに着想を得た物語を監督したのは、『ベルエポック』などのスペイン出身のフェルナンド・トルエバ。主演に『髪結いの亭主』などのジャン・ロシュフォール、主人公の妻役に『山猫』などのクラウディア・カルディナーレなどが集結し、ヨーロッパ映画らしい芸術的で繊細なドラマを堪能できる。
ストーリー:1943年、ドイツ占領下のフランス南西部。80歳の彫刻家マーク・クロス(ジャン・ロシュフォール)は創作意欲を失っていた。ある日、妻リー(クラウディア・カルディナーレ)は、町で出会った娘メルセ(アイーダ・フォルチ)に夫の仕事のモデルにならないかと話を持ち掛ける。山小屋のアトリエでメルセの美しい体をスケッチし、彼女に芸術について指南するうちに、クロスは意欲を取り戻していく。
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