アキ・カウリスマキ監督の「ル・アーヴルの靴磨き」を、借りたDVDで観ました。題名とチラシの画像は以前から気になっていましたが、内容はまったく分からず、とりあえずTUTAYAで借りてきました。
はじめから脱線しますが、昨日の夕刊に4監督によるオムニバス「ポルトガル、ここに誕生す」の解説と広告が載っていました。そこにフィンランド出身のアキ・カウリスマキの名前を発見。カウリスマキ編「バーテンダー」は、街のバーで働く男の一日を描く、とありました。「ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区」は、渋谷のシアター・イメージ・フォーラムで、14日、今日から公開です。
さて、「ル・アーヴルの靴磨き」ですが、なんなんだろうな、この映画は、と驚きました。あれよあれよという間に、次々と「いい人」が出てきます。酒場の女主人も、パン屋のおばさんも、食料品店のおやじさんも。これは悪人はいない映画です。犯人を逮捕するべき警察官までもが、際どいところで「いい人」になります。これだけの「いい人」を集めたら、みんなが幸せにならないはずはありません。一時代前の「人情映画」ですよ。フランス版「ALWAYS 三丁目の夕日」ですよ、これは。
20年前のパリで、売れない芸術家だったマルセルが、港町ル・アーヴルに都落ちして、靴磨きで生計を立てているという設定。長年連れ添った妻と愛犬とで穏やかに暮らしています。しかし妻が突然病気で入院、医者から見放された病気で、マルセルに言わないで欲しいと医者に頼みます。
マルセルは偶然、アフリカからの密入国社の少年と出くわし、彼をかくまいます。少年は、母親のいるロンドンに行きたいという。少年の夢を叶えるべく、密航するために必要なお金を集めるのに、どうしたか?ル・アーヴルは幸運にも戦争の被害を受けていない街、古い街並みと人情が未だに残っています。リトル・ボブこと、ロベルト・ピアッツァという年老いたロックンローラーが出てきます。ル・アーヴルは「フランスのメンフィス」と呼ばれています。「リトル・ボブはエルビス・プレスリーだったというわけさと」、アキ・カウリスマキ監督は言う。
以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。
チェック:『街のあかり』などのフィンランドが誇る巨匠アキ・カウリスマキ監督によるヒューマン・ストーリー。フランスの北西部にある港町を舞台に、毎日を必死に生きる庶民たちの生活を描くと同時にヨーロッパとは切っても切れない関係にある難民問題についても問い掛ける。『白い花びら』でも共演したアンドレ・ウィルムとカティ・オウティネンが今回は仲むつまじい夫婦を好演。ごくありふれた人々が紡ぎ出す、心温まる奇跡の物語が観る者の琴線に触れる。
ストーリー:昔パリで暮らしていた芸術家のマルセル(アンドレ・ウィルム)は、今は港町ル・アーヴルで靴磨きをしながら生計を立てている。彼は自分に尽くしてくれる妻(カティ・オウティネン)と愛犬ライカとの暮らしに満足していた。だが、ある日妻が病気で入院した後、アフリカからの難民の少年と出くわし、警察に追跡されている彼をかくまうことにする。