大倉集古館で「大倉コレクションの精華Ⅱ―近代日本画名品選―」を観てきました。
今回の展覧会は大倉集古館の、いわゆる「館蔵品展」です。4月に「大倉コレクションの精華Ⅰ―中世・近世の絵画―」が開催されました。「大倉コレクションの精華Ⅱ―近代日本画名品選―」は第2弾という位置づけで、また来年の1月からは「大倉コレクションの精華Ⅲ―工芸品物語 美と技が語るもの―」と続きます。
やはり今回の展覧会で特徴的なのは、昭和5(1930)年に大倉喜七郎男爵が支援して実現させた「羅馬開催日本美術展」に出された作品についてでしょう。先日も山種美術館の山崎妙子館長の講演会でも、「羅馬日本美術展覧会」のことが話題になっていました。それにあわせて横山大観夫妻、速水御舟、大智勝観たちが、美術特使として渡欧しました。速水御舟はその後、単身で10か月間もの長い期間、ヨーロッパ各国を歴訪しました。
僕がはじめて「羅馬展」について知ったのは、2008年5月、日本橋三越で開催された「今、甦るローマ開催・日本美術展」でした。そこで観た横山大観の「夜桜」と、前田青邨の「洞窟の頼朝」には、圧倒されました。次の年、2009年2月には、始めて行った大倉集古館で「追憶の羅馬展」を観ることができました。大倉集古館と言えば、僕の中では「羅馬展」、そして大観と青邨の作品を思い浮かべます。
日本橋三越本店で「今、甦るローマ開催・日本美術展」を観た!
大倉集古館で「追憶の羅馬展」を観た!
「大倉コレクションの精華Ⅱ―近代日本画名品選―」
大倉財閥を継いだ長男・喜七郎は、父の残した蒐集品に更なる息吹を加えました。同時代の新しい画家たちを擁護し、その発展に尽力を続ける中で、昭和5年に実現させた「羅馬開催日本美術展」は喜七郎による芸術支援の白眉となりました。本展では“ローマ展”に出品され世界に向けて日本の美術を印象づけた近代絵画の優品を中心に、明治から昭和にかけての日本がコレクションを紹介します。
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